成分
2022年09月30日
【露天風呂】
浴室から窓外に見えていた露天風呂は
竹垣風の目隠しに囲まれた空間に一辺が2m程の小振りな方形浴槽の設えで
奥の湯口から内湯の浴槽と変わらぬ透明湯が注がれており
対角となる内湯側の角に設けられた縁の切り欠きから越流した湯は直ちに排水口に流れ込む構造となっている。
越流口の上部には煉瓦ブロックを重ねた上に渡した棚板に3基のソーラー充電式LED照明が配置されているが暗くなっても照明が灯ることはなく存在意義は不明である。
露天風呂と内湯を仕切る外壁は既に内湯側からも見た通りほぼ全面がガラス張りで
見上げる屋根上には突出した錐体換気屋根の頂部が確認できる。
【温泉の泉質】
温泉棟で脱衣籠が配置されている通路部分には温泉の泉質や成分等を記載した額が掲示されている。
この掲示に依るとしずか亭の温泉は
源泉名 めぐみの湯
泉質 ナトリウム-炭酸水素塩塩化物泉(低張性弱アルカリ性低温泉)
泉温 33.5℃
pH値 7.8
である。
源泉温度の33.5℃はぬるま湯であり入浴には40℃を上回る加温が必須であろう。これが低温泉とされる所以であろうが先に紹介した永岡温泉は43℃の源泉が高温泉であった。従って33℃と43℃の間に低温泉と高温泉の境界が設定されているのであろう。
主要な温泉成分を見ると陽イオンの含有量は温泉1kg中にナトリウムイオン(Na+)227mgに次いでカリウムイオン(K+)21㎎で陰イオンの炭酸水素イオン(HCO3-)413㎎と塩素イオン(Cl-)205mgに加えて遊離成分のメタケイ酸(H2SiO3)が78㎎がナトリウム-炭酸水素塩塩化物泉の由来でメタケイ酸の存在が肌触りが良い柔らかな湯を演出していると思われる。
成分の表示に浴槽の利用形態に関する記載は見当たらないが額の下端に加温の旨の追記が逆様に挟まれており源泉温度から想像した通り40数℃の入浴に適した湯温迄加温されていることが確認できる。
加温以外に温泉の循環利用に関する濾過や滅菌装置の稼働に関する記載はないが内湯と露天の浴槽に循環関連装置の存在は認められなかった。
依ってしづか亭の温泉は内湯と露天風呂共に低温泉を加熱した源泉掛流しであると判断できる。
Part.5はしづか亭の食事
(00:00)
2020年05月22日
【露天風呂】
大浴槽と小浴槽の間にある二重ドアから屋外に出ると露天風呂の空間が控えている。
浴室ドアから3段程下った高さに小振りの石貼り浴槽がある。
この浴槽は大人が足を伸ばして入れば4名程で満員となり譲り合っても7名程が限界と思われる。ガラス窓の内側には小浴槽の位置で背後の隔壁は先に述べた休憩所の展望窓からの目隠しを担っている。
出入口側の壁面角に設けられた石組みの湯口から湯が注がれているが明確な越流口が見当らない。
浴槽内を観察すると底面と
側面に内湯の大浴槽同様の円形給排口を認める。従って露天の浴槽も内湯と同じ循環濾過滅菌装置が稼働していると思われる。
上の2枚の写真はいずれも湯表面の反射が強く給排湯口の存在が解り辛いが底面の写真では白い円形が二つ並んで見えている。側面写真は画面中央の少し上のステップ下段側面に円形の開口があるのだが解り辛いのでマーキングを施しておいた。
露天風呂から望む船渡湾の景観は壮大で湾口の防波堤で守られて鏡の様に陽光を反射する穏やかな湾内に整然と並ぶ多数の養殖筏を見ながら湯に浸かる幸せを味わうことできる。
【温泉の成分】
先に触れたが温泉の成分分析は額入りで脱衣室に掲げられている。
この掲示に依ると源泉名が大船渡温泉の泉質はナトリウム·カルシウム·塩化物泉で低張性アルカリ性冷鉱泉とされている。
19.1℃の源泉は使用位置で42℃となっているので加温は必須で
右側の欄には加水無しの源泉100%と共に加温と掛け流しと循環濾過を併用し塩素系薬剤の使用が明記されている。
成分分析の欄を見ると主要なものは温泉1kg当たりナトリウムイオン(Na+)が1187mg、カルシウムイオン(Ca++)803mgに塩化物イオン(Cl-)3241mg、硫酸イオン(SO4--)87mgで確かにナトリウム·カルシウム·塩化物泉でありpH8.9は弱めのアルカリ性泉である。
分析表を掲げた壁面の下には「温泉·給湯と1階の床暖に木質バイオマスボイラーの熱を利用しております」と記されたパネルが配置されていた。
このパネルの説明に依ると木質バイオマスボイラーは森林の間伐材を製材した端材をボイラーの燃料に活用し化石燃料に頼らない方式故に二酸化炭素排出抑制に貢献するとされている。
Part.7は大船渡温泉の夕食
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