夕食
2024年02月02日
【三春屋の食事】
三春屋には食事処や食堂の類を設ける空間的な余裕はなく必然的に食事は客室にお膳が運ばれる昔ながらの部屋食である。近年比較的大規模な宿では食事処を構えながらも部屋食を提供する一段高級なプランが用意されているがそもそも狭隘な肘折温泉街では多数の宿で供食の特化した空間の余裕がないのが実情である。
因みに以前に宿泊経験のあるゑびす屋、西本屋、亀屋でも食事処の設備を有しない部屋食であった。
【夕食】
18:30頃になって部屋に運び込まれた
夕食の料理膳がこれ。
他にご飯を収めたお櫃に茶碗、汁物椀、醤油差し等の別膳も用意される。
料理膳の左奥は大根下ろしを添えた天ぷらの盛り合せ皿で
茄子や南瓜の野菜類と舞茸に海産物の海老も加わる。
右隣は甘酢漬生姜を添えた川魚の塩焼の一皿。
【余談: 川魚の魚種識別】
以前から述べているが筆者は川魚(淡水魚)の種類を見分ける知識の持ち合わせがないので鮎か岩魚か山女魚か或いは何とか鱒(虹鱒は十和田湖近辺?姫鱒とか国鱒も?)は不明である。
東北地域で夕食に供される川魚は恐らく近年養殖が進んでいる鮎か岩魚であろうかと思う。生体の鮎と岩魚は体表面の模様の違いで識別できるが表面が焦げた焼魚でこの見分けが困難である。
鮎は草食故に食すれば胡瓜や西瓜の香りがするとも言われているが養殖魚は天然産程の特徴はないだろうし結局良く解らないので毎回川魚と記して誤魔化している。
【夕食の続き】
天ぷらと焼魚皿の手前は
二つの小鉢が並び
トマトを出汁で和え薬味を散らした夏の料理で
右隣の蓋付き小鉢は餡掛け仕立ての冬瓜の煮物である。
因みに冬瓜は夕顔の実で夏の収穫物であり皮を細長く剥いた干し物が干瓢(かんぴょう)となることはご存じだろうか。
2品の小鉢の脇には紫蘇の葉に載る海産物のイカ刺しの皿が控えており同じ意匠の醤油を挿す小皿も用意されている。
昔ながらの温泉宿では山中であっても海老天や刺身等海産物の類は不可欠であるらしい。
これらの料理に漬物の小皿もお供に飯と汁椀も戴き夕食を終えた。
ご飯の写真がない?撮影を忘れてた!
【朝食】
朝食は7:00~7:30の時間帯に供されるとのことであったが実際は7:30近くになって届けられた。
お膳に載る6品の料理にご飯と味噌汁椀と漬物の小皿が加わり
別途飯のお櫃と醤油差しが用意される。
お膳の左奥は温泉卵とツルムラサキのお浸しが並び
右奥の角皿は大葉をあしらった焼鮭で甘酢生姜と昆布煮の添え物がある。
角皿の手前は味付け海苔が載る瓢箪型の皿と2種の小鉢。
瓢箪皿は上下の括れ部分の仕切で上半部が醤油を注ぐ小皿となる造りで本来は刺身皿で利用されるものに見える。
手前の鉢に収まるポテトサラダはハムの量が多めで見た目以上のボリューム感がある。
もう一つの鉢は味噌味で仕上げた茄子やピーマンに冬瓜を加えた夏野菜の炒め物でこちらはご飯のお供に好適な味付けである。
これらの料理に梅干が加わる漬物と味噌汁でご飯をお代りして朝食を終えた。
Part.6は肘折朝市と公衆浴場上ノ湯
(00:00)
2023年11月10日
【食事の会場】
須川高原温泉では宿泊者の食事は基本的に売店食堂棟内の食堂で供される。但し先に見た栗駒の間等での宴会需要は別扱いになるのであろう。
食堂は宿泊者に朝夕の食事を提供するだけでなく昼間は日帰り客や登山客の外来者の供食需要も担っている。
旅館部と掲示されている18:00~の夕食と翌朝7:00~の朝食時間帯は館内からの入場に限定されているが昼の部(11:30~14:00)は国道に面する外部出入口が開放されて外来者の利用も可能である。
【食堂の内部】
夕食の時刻に食堂へ向かうと
通路とのガラス隔壁には目隠しのカーテンが引かれ
入口のドアのみが解放されている。
室内の壁や天井は白基調の明るい造りでウォールナット調の意匠を凝らしたテーブルと椅子が落着いた雰囲気を醸し出している。
こちらは入口側からの撮影で右奥に見える窓は国道側の外壁に開口している。
また左の壁面開口部の奥にも食堂の空間が続いている。
【夕食】
部屋毎に指定された卓上には既にいくつかの料理が並んでおり
着席すると直ちに陶板焼のコンロが点火されて
飲料の有無を問われる。数ある品々から選ぶのははいつと変わらぬ冷酒で今回は辛口の関山¥680を所望した。
宿にも依るが300ml小瓶の冷酒は\800前後が相場で高級とされる宿程\1,000超の高値を設定する傾向がある。標高1,200程の県境の僻地で相場を下回る良心的な値付けは大変有難い。高地とは言っても7mの積雪に閉ざされる冬期以外は岩手、秋田両県側から国道が通じており物流が保証されていることが好条件となっているのであろうか。
但しこの冷酒は先の宿泊プランの項で触れた様に父の日プランの特典で\780以下の飲料を1本サービスという特典で振る舞われたものである。
卓上に献立の品書は用意なく料理の説明もなかったので正確性に欠ける恐れもあるがコンロに点火されている陶板焼の蓋を開けてみると
キャベツや玉葱等野菜類の上に牛ロース肉が鎮座している。
焼き上がったロース肉は
小皿で用意される浸けダレの風味を加えて戴く。
先付と思われる長皿には3種の盛付けがあり
左端はワラビorゼンマイに見えるおひたしに紅葉皿は若布と夏野菜の和え物で
右端は田楽風に成形した抹茶風味の胡麻豆腐である。
陶板焼の手前に並ぶ小鉢は
油揚げ巻きのテリーヌと花麩の焚き物、ツルムラサキのお浸しに
赤紫蘇風味の芋茎漬け、蕗の煮物と数々の山の幸が並ぶ。
少し遅れて川魚の塩焼きと
山菜の天ぷらが相次いで運ばれる。
川魚は鮎、岩魚、山女魚、ニジマス等が知られているがその辺りの知識に乏しく魚種の判断がつかない。姿形から岩魚であろうかとは思うのだが。
緑色に覆われた天ぷらは名も知らない山菜類の中に辛うじて茄子と茗荷の存在が確認できた。茄子の下敷きになっている大きな緑の葉っぱはその形状に気が惹かれたが忙しく立ち働く従業員を呼び止めて尋ねる行為は気が引けて疑問が残された。献立の品書き添付がないのが残念である。
とは言え川魚も山菜天ぷらも美味しく戴いた。
これだけの料理を収めた胃袋はギブアップ状態でご飯と汁物はパスして甘味のデザートを味わい夕食を終えた。
山野菜が主体で牛肉と川魚が加わる料理は山上の宿らしい構成で一泊を過ごすには十分に満足できるものであった。
敢えて記すなら、須川高原温泉にマグロやハマチの刺身は要らないよね。ということ。
Part.11は須川高原温泉の朝食からチェックアウト
(00:00)
2023年03月17日
【個別の料理】
卓上に運ばれる個別の料理を品書の順に紹介すると
前菜の位置付けとなる小鉢はわかめ麺の帆立山葵ジュレと
ウドの醤油漬けの2種が供される。
わかめ麺はジュレの反射光で見辛いが麺状の細切りにした若布に刻んだ帆立を添える海の幸に山葵ジュレをかけた一品。ウドは云うまでもなく山の食材である。
もう一つの小鉢の甘露梅は箸休めとされており
甘く味付された大き目な丸ごと梅を崩しながら戴く。
献立に御造里と記載される刺身皿は鮪と牡丹海老に加えて白身の魚はハマチ(鰤)であろう。
供された儘では解り辛いので並べ替えたのがこの画面。
一関市山中の温泉でも一通りの海産物に恵まれるのは一重に発達した物流網のお陰ではあることは何度も述べてきたが一方地勢的に一関市は宮城県気仙沼市と比較的近距離にあり古くから交流が盛んでもあったと思われる。
鍋物はフカヒレ海鮮鍋とされており
鍋の脇に控える食材は一般的な豆腐やエノキ、小葱、マロニー等に加えてふかひれ、蛤、蟹爪、金目の切身、つみれと盛り沢山の海産物が用意されている。
これらの材料を順次鍋に投入し
火が通った頃を見計らって
小鉢に移して熱々の鍋を味わう。
ふかひれもしっかり戴いた。
鍋物に続く蒸し物で供されるのは
極普通の茶碗蒸しである。
個別料理の末尾に記される焼物は鮎の塩麴焼きではじかみだけが載る長皿に遅れて運ばれた鮎は厚手のラップに包まれた儘で供された。
包みを解くと竹串刺しの焼鮎が現れる。
これを頭からかぶり付き
美味しく戴いた。
Part.12はセルフコーナーの料理
(00:00)
2023年03月10日
【瑞泉郷の食事】
瑞泉郷の食事は基本的に白山亭2F宴会場での会場食である。但し山王亭の客室は庶民的なともえ亭とは異なり別格の高級感を感じるので部屋食があるのかも知れない。
4層構造の白山亭内は先にも館内図で見た通り
玄関脇に配置されている1基のエレベーターと階段室が垂直移動の手段となっているのでともえ亭の客室からは連絡通路経由でフロントロビー方向に戻ることになる。
エレベーターはフロントや売店のロビー空間から玄関外部に突出した様に配置されている。
この位置関係を外から見るとエレベーター部分の塔屋は玄関脇から4Fの屋根を突き抜けて聳えている。2棟に見える塔屋は玄関に近い左側がエレベーター塔で右の搭は鉄扉で隔てられた業務用の領域である。
一見ではこの塔屋部分は後付け構造にも見えるが建造当初から採り入れられた独特な意匠の可能性も否定できず真偽の程は不明である。
とにかく僅か1基のエレベーターは1F~4Fの往復に多くの時間を要する。従って食事の時間帯には利用者が増加して待ち時間が長くなるので2Fへの昇降は専ら階段を利用することになった。
こちらは既に紹介したフロントロビーの光景だが2Fの吹抜けから玄関の内部や売店の一部を見下ろすことができる。この画面で玄関扉の左奥にエレベーターと階段室が配置されている。
【食事会場】
2Fに上がった通路は庭園(川)側に限られておりこれを進むと館内履きを預ける履物棚の奥に廊下が伸びている。
廊下に沿う左手の窓側には庭園を見下すカウンター席が用意されており
右側に拡がる畳敷きの大広間瑞山が
夕食会場である。
【夕食の献立】
部屋番号を告げて案内されるテーブル席の卓上には既幾つかの料理と
献立の品書きが用意されている。
この献立の後半にはセルフコーナーが紹介されておりハーフバイキングの方式が採用されている。
【冷酒】
席に着いて先ずは飲料メニューから冷酒を注文した。
300mlの冷酒のラベルは宿名の瑞泉郷となっておりハウスブランドであるが
製造者は一関市内の両盤酒造(株)で製造所は西磐井郡平泉町と表示されている。
これを嗜みながら摘む料理は次回に。
Part.11は夕食の料理
(00:00)
2022年12月09日
【華夕美の食事】
華夕美では夕食、朝食共に本館4F西翼側のレストランで供される会場食が基本的な設定となっている。
【夕食】
夕食を指定した時刻になって3Fの客室から4Fのレストランに上ると
案内された席には意匠を凝らした刺身の大皿盛りを始め
既に多くの料理と料理が用意されていた。
卓上にはおしながきと表され料理長の署名がある肉筆原本の複製と思われる献立表に夕食の料理が紹介されている。
【余談: 品書きと献立の違い】
筆者は最近まで品書きと献立の相違を認識しておらず以前の記事ではそば店や温泉宿を問わず全て品書きと記してきたが昔懐かしい学校給食等に使用されている献立の単語が記憶の底から甦りその違いを調べたところ以下を確認したので余談として原文を提供しておく。
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「献立」は、お店や家などで、出てくる料理が決まっている時に使われます。
食べる側がメニューを選べるのではなく、提供する側が決めるものです。
旬の食材や、是非食べて貰いたい食材などに合わせて、副菜やデザートを決めて、栄養バランスやカロリー、更には器やテーブルクロスなども考えて提供するセットメニュー全体のことを言います。
提供する側が一生懸命考えるものであり、食べる側がその意図を汲んで有りがたく食するのがマナーです。
「お品書き」は「メニュー」とも呼ばれ、そのお店が提供している料理の一覧表のことで、和食で使われる言葉です。
料理名の側に価格も表示されていて、お客が自分で好きなものを選んで注文するのが一般的です。
お店によってはカロリーや原材料の産地まで記載しているところもあります。
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とか。
この定義に従えば温泉宿で決まった料理が供される場合は献立の範疇となるので厳密に言えば「おしながき」ではなく「お献立」が正解かと思う。
食堂やそば店等々多くの品揃えから一品或いは数品を選択注文できる場面が「お品書き」である。
従って提供側が主導する料理か食べる側が選択できる料理かが両者を分つ分水嶺でそば店や街中の食堂では品書きで間違いないが旅館や料理割烹等では献立とすべきであるらしい。但しフランス料理店の様に基本は前菜からデザート迄のコース料理でも複数のコースの用意があり選択指定を要する場合は品書きの筈だが通常は専らメニューという外来語に頼っている様である。
【夕食の続き】
さて、本題に戻り夕食の料理を堪能するが各々の品は「おしながき」の順に従って紹介する。
前菜は献立に松前生いか和えとある通り生いかに昆布を加えて松前漬けに仕上げた品。
卓上で一際目を引く刺身の大皿は凝った盛付けで存在感を誇示しているが献立では女川の海よりと素っ気ない紹介に留まっている。これは日々変動する新鮮な漁獲は魚種の特定が困難であるが故苦肉の対応策かと思う。
大皿の手前に置かれた簀子上は多量のつまを添えた鮪でその奥で帆立の貝殻に載る白身魚の平目と左側のつぶ貝に右奥の海老は縦長の篭に収まっている。
大皿の最奥に聳える2段重ねの木枡は捕鯨復活の町女川を象徴する鯨の刺身で赤身の肉は生姜醤油で戴く。
煮物の鉢はかれいの煮付けに野菜と彩色麩を煮含めた炊き合わせである。
固形燃料で加熱するアルミ鍋は焼き穴子だんごと夏野菜の海老だし鍋とされ
ご覧の通り南瓜、グリーンアスパラ、ヤングコーン、トマト、キャベツの野菜類と共に穴子の団子を海老の出汁で煮込むもの。
海老の風味が利いた出汁は穴子団子との相性が良くポン酢などの味付けは不要で汁毎小鉢に取り分けて戴く。
刺身や次の鮑焼等目を引く海鮮料理がある中で鍋物は若干地味な存在だがなかなかの美味で印象に残った。
もう一つ卓上のコンロで調理する料理が鮑の陶板焼きで
蓋付の陶板鍋にクッキングシートを敷き若布を枕にした殻付鮑をバター味で蒸し焼きにする。
焼き上がった鮑は若布と共に皿に移しで
殻を外しナイフとフォークで大胆に切り分けて戴く。海産物料理の醍醐味を感じる瞬間である。
遅れて供される揚げ物の天ぷらがは揚げたてを提供する料理人の心遣いと感じる。献立の記載通りハゼと串刺し刀魚の磯部揚げに加わるアボカドの天ぷらが珍しく粗挽きの胡椒塩で食する。
既に鍋や天ぷらの画面の端に姿を見せていた蒸し物は完熟トマトのコンソメ蒸しとされており陶製深鉢の表面はオレンジのトマト色にそら豆の緑が浮かんでいるが
匙を挿した内部は普通の茶碗蒸しである。ある程度蒸し上げて卵液が固化した後の表面をとろみをつけたトマトソースで覆ったものであろうか。
通常の献立で酢の物はメインとなる台の物や焼物、鍋物、、揚げ物等に先立って供される前菜や先付に近い位置付けだが献立では鍋物、焼物、揚物の後で食事の直前に配置されているのが珍しい。
ローストポークのサラダ仕立てとされる料理は紅色の飾りを施して流通されている輪切り蓮根を添えたローストポークをドレッシング仕立てとしトマトとチーズに大葉(青紫蘇)を添えて柑橘の酸味を用意した品は海鮮食材とは一線を画した一皿であるがご飯と椀物に香の物の食事を彩る位置付けを担っているのであろうかと思う。
毎度のことだが多彩な料理に冷酒も戴いた後は満腹となり宮城県産ひとめぼれのご飯はパスして香の物とふのりの吸物を戴き
和スイーツのお汁粉を意識した小豆ベースのデザートを味わって夕食を終えた。
Part.9は朝食とチェックアウト
(00:00)
2022年10月07日
【夕食】
予め定めていた時間より少し前の18:10過ぎに部屋の入口から従業員の声が掛かり夕食の料理が室内に運び込まれる。
座卓上に処狭しと並べられた料理は一画面に収まりきれず
月形盆の右側に配置された料理は別画面となった。
月形盆の中央に配置された先付料理は左奥の高坏に収まる野菜のマリネと三日月皿のニラ黄金和えに帆立和えの小鉢、蕗の煮物、飾り包丁を施したラディッシュの味噌和えで
左隣りはなめこの蕎麦の実和えに茶碗蒸しが並ぶ。
更に左側に配置された鍋物はもち豚のしゃぶしゃぶで
添付されている野菜類と共に固形燃料の鍋で熱を通して
ポン酢味で戴く。
右奥に控える扇皿の前沢牛握り寿司2貫は凌ぎの位置付けで早めに腹に収めた。画面に見える通り牛肉に載る薬味は下し生姜でしゃりにも胡麻の風味が仕込まれている。前沢牛は隣の奥州市前沢地区の名を冠するブランド牛であることは言うまでもない。
すし皿の手前は若布と胡瓜を合せたモズク酢にチョロギを添えた鉢物。
更に手前に配置された刺身皿は鮪とサーモン、帆立の3種盛。
海とは北上山地を介して遠く離れている山中の平泉でも物流網のお陰で海の幸を生食で味わえるのは有難いことと思う。
これらの料理を戴いていると遅れて運ばれた天ぷら皿には揚げたての南瓜、茄子、舞茸、しし唐等夏野菜が並び下し生姜と大根の薬味に薄味の天つゆが添えられえいる。
更に食事の後半を見計らって運ばれるのがPart.2で紹介した室内の案内書にもあった打ち立てゆで立ての手打そば。屋号に「そば庵」を名乗る通り施設周囲の畑で自家栽培する蕎麦を手打した蕎麦切りが小さ目の蒸籠そばに仕立てて供される。薄く延した生地を幅広に切り分けた平打ち麺はつるつるした食感で喉越しの良いそばである。
因みに宿の周囲は畑が拡がり蕎麦に限らず多種の野菜を自家栽培している様子で早朝にはガイド付きの畑のお散歩が企画されていた。
豚しゃぶ鍋を始めとする多彩な料理に前沢牛握りや手打そばを戴いた後は少量のご飯で満腹となり
メロンと巨峰の果物で締め括った。
Part.6はしづか亭の朝食
(00:00)
2022年08月26日
【永岡温泉の食事】
永岡温泉の食事は夕食、朝食共に先に見たフロント棟内の食堂に用意される。
上の画面は本館からフロント棟に向かう通路から見える食堂のガラス壁面で視線の高さには目隠しの装飾が施されており入口は板床通路左右の二箇所に設けられている。
こちらは先にも紹介したフロント側の入口で食事処の暖簾の脇には食券の自販機が置かれて
ラーメンやパスタにランチのメニューが日帰り客の食事需要に対応している。
【夕食】
18:00時を選択した夕食の時刻になると館内電話の案内があり食堂へ向かう。
部屋番号で指定されたテーブル席に用意された料理膳には和食主体の料理が並び
少し遅れて揚物が運ばれる。盆の脇に添えられたマスクケースの配慮が有難い。
【飲料のサービス】
このサービス券は宿泊者が対象で8月31日迄の期間限定ではあるが飲料の無料提供券と宿泊料¥1000割引券である。
ドリンクサービスの券面には夕食時にグラスビール、日本酒(1合)、グラス焼酎、ウィスキー、ソフトドリンクの提供が記載されているが冷酒も可能とのことで300mlの冷酒が夕食膳のお伴となった。
「雪」のラベルは初めて見たが秋田県大館市の酒蔵北鹿(ほくしか)が醸した本醸造生貯蔵酒である。
【夕食膳の料理】
料理を載せたお盆の中央を占める鉢は3種の刺身盛で鮪の赤身と海老の手前に置かれた炙りものは鰹には見えずビンチョウ鮪であろうか。食感も淡泊であった。
刺身鉢の左は生野菜に生ハムとチーズを添えたサラダ皿。
左奥のホイル包みは
鮭に玉葱とエノキダケを添えた焼物で添付されているたれをかけて戴く。
右奥に控えるコンロで加熱する鍋は
牛肉にキャベツやピーマンの野菜にシメジも加えて
醤油ポン酢で味わう。
時間差で運ばれた揚げ物は牡蠣フライで添付されたタルタルソースが牡蠣の風味に滑らかな食感を加えている。
手前の小鉢は下し山芋に載せたイカソーメンを山葵風味で味わう品。左隣りは漬物皿である。
お盆の手前左端に運ばれた茶碗蒸しは
標準的な具材で造られた普通の卵蒸しである。
これらの料理を味わった後に漬物をお伴にご飯と味噌汁を戴き一段落。
食後のデザートは生クリーム添えのミルフィーユでこれを戴き夕食を終えた。
Part.7は朝食からチェックアウト迄
(00:00)
2022年07月08日
【薬師堂温泉の食事】
薬師堂温泉では夕、朝食共に会場で供される。
食事の会場は既に館内図で見たレストラン竹林とされているがこの施設は日帰り客も利用できる。
入口脇の壁面には定食や丼物とカレーに加えてラーメンやそば、うどんの麺類を網羅するメニュー札が掲出されており安価な設定で日帰り客の要望に答えている。
但しレストランの内部はテーブル配置が6脚程の狭隘な空間である。
実際夕食時には隣のテーブル席で日帰り客が何かの定食を頼んでいたのは風呂上りの外食の楽しみであろう。その後に訪れた客は満席の為に奥の別室に案内されておりレストランの利用面でも少なからぬ日帰り客の存在が確認できた。
【夕食】
指定された夕食の席に献立の説明書は無かったが
卓上の盆には和食善の基本的な5品の料理が並べられていた。
先ずは先付の小鉢。若布に山菜と椎茸の和え物である。手前の漬物(香の物)は浅漬けと古漬けのコンビネーションで量も多い。
刺身はサーモン、鮪の赤身、海老の3種盛で千切り大根と大葉に小菊の添え物がある。
天ぷらはタラの芽と蕗の薹の春先を告げる山菜に蓮根と海の物の海老が加わる。
メインの料理は岩手県ブランドの白金豚の鍋物で
添付の野菜と共に蒸し焼きにし
添付のたれ味で戴く。
これらの料理に茶碗蒸しが加わって夕食の和食膳が完成する。
夕食に欠かせない冷酒に釜石市の浜千鳥を選んで料理を楽しんだ結果ご飯と汁物を戴く食事に満腹となってしまい
残りの冷酒に手付かずの漬物とデザートを部屋に持ち帰ることとなり
浅漬けや古漬けの香りと食感を楽しみ
締めのデザートも味わうことができた。
Part.8は朝食とチェックアウト
(00:00)
2022年05月13日
【峩々温泉の食事】
峩々温泉では夕食、朝食共に食堂棟の会場で供される。夕食で案内された席は翌朝の食事も同じ位置で用意される。
食堂棟は既に述べた通り玄関棟から数段の階段を昇る高い位置にあり中の棟や上の棟の客室からは一旦フロントや談話室がある玄関棟の床面迄降りた後に食堂棟へ上がることになる。
6段程の階段を上ると直ぐ左手にお食事処桜ダイニングの案内があり
左に折れた通路の奥に入口を構えている。
食堂に入ると左手前に厨房が見え左奥はバーカウンター風の設えで右手に客席の空間が広がっている。画面は窓側(川側)の客席から見た厨房と入口方向の景色で客席の淡い照明と対照的に一際明るい厨房内に目を引かれる。
客席は山側に仕切り壁があり
その奥には同じ造りの隔壁で仕切られた幾つかの個室風の空間があり4~5名程のグループはそちらに案内されていた。
【夕食】
夕食の席に着くと
卓上には既に幾つかの料理が配され
手書きの献立が添付されていた。
ここ迄触れてこなかったがこの特徴的な毛筆書は既に館内の随所で目にしてきた案内書きの筆跡と同一であることは素人の鑑定でも明らかである。恐らく館主自身か少なくとも館主の側近者の手に依るものと思う。この献立に沿って料理の品々を順次紹介するが
その前に先ず飲料の品書きから
飲み慣れた生貯蔵酒蔵王を発注した。この冷酒は既に何度か紹介しているが雑味を感じないすっきりした端麗な飲み口が快い。
献立のトップを飾る前菜は長皿に6種の品が並んでいるが献立は盛合せの記載のみで食材や料理法は省かれている。
盛合せの左から蕗の煮物、若竹煮、酢漬けラッキョウ、紫蘇巻き味噌、胡桃豆腐は分り易かったが右端の白い塊は酸味の利いたコリコリ食感を感じるが食材不明で後に館主と思しき人物に尋ねた結果鶏軟骨の梅酢和えと判明。館主の伝手(つて)で仙台から仕入れる食材とか。コリコリ感は確かに軟骨かも。
蔵王産サラダ人参とキクラゲの彩りサラダは食して甘みを感じる薄切り人参に緑葉とキクラゲを合わせた中に胡桃とレーズン味が潜んでいた。
野菜添えのローストビーフは小鉢の位置付けで
焼物はさわらの幽庵焼きに献立には記載のないりんごのコンポートが焼前に添えられている。
蒸し物は定番の茶碗蒸しだが献立には蔵王卵が明記されている。
献立にメインと記されているのは一般に台の物と称される料理で蔵王高原ふろふき大根の揚げ出しが運ばれる。蔵王高原では七日原が大根の産地として知られており煮物のふろふき大根が代表的な料理であるがこれをわざわざ揚げ物にする手数をかけた珍しいものである。
最後の名物は宮城風芋煮汁とひとめぼれ一等米の食事でお代わりできますの案内もあるが既に満腹で芋煮汁を少しだけお願いしてご飯は翌朝へ持ち越すことにした。
食事を終えると献立にも記載されている通り食堂から玄関棟の談話室へ移動を促され
山小屋風の雰囲気に包まれた空間で寛ぎながら
デザートのアイスクリームを味わって夕食を締め括る。
Paer.9は朝食とチェックアウト
(00:00)
2022年03月11日
【流辿の部屋食】
別邸を除き流辿館内の食事は特別室、和洋室、8畳和室のいずれのプランでも部屋食となっておりチェックイン時の案内にあった通り夕食は17:45~18:00、朝食は8:00~8:15頃に配膳されるので客のリクエストに依る時間指定は不可能である。
【夕食】
案内の通り18:00少し前に夕食が運ばれた。部屋出しの食事は一度に全ての料理が供されるので
宿泊プランから想像していたものとは異なる多彩な料理は
小さな座卓上に二人分が並べきれず
デザート等は畳の上で出番を待つことになった。
料理には品書が添付されているが狭い卓上に広げる余地は無く隣に敷かれている掛け布団の上で撮影することになった。霜月の献立の表題から多彩な料理が列記された末尾に山景の宿 流辿·観山聴月と総料理長の記名が為さた本格的なものである。この末尾の表記から夕食膳は流辿館内に加え別邸の利用客にも共通な料理であると思われる。
【余談: お得な旅館の利用法】
料理紹介の途中で余談を差し挟むのは若干気が引けるが失念しない様思い立った時に述べておく。
同額の料金で宿泊するのなら安宿の上級プランより高級宿の低額プランがお得という話は何十年も前から聞き及んでいた。確かに高級宿では設備やサービス内容が充実しているので相対的にこれらが貧弱な宿よりは満足度が高いという評価は決して万能ではないが頷ける点が多いことも確かである。
今回の流辿では3段階中最低価格の8畳和室プランで部屋の広さというよりも座卓の小ささに不満を感じてはいるが夕食は他のプラント同じ豊富で多彩な料理が供されるのであるから満足度は高い。
【夕食の料理】
閑話休題。夕食の料理に戻る。
献立の先頭は
最初にの項目で米香るノンアルコール日本酒で乾杯と記されており所謂食前酒の位置付けだがノンアルコールの日本酒というのはアルコールが苦手な向きも夕餉の乾杯に参加できる巧みな配慮を感じる。
先付は手練りの南瓜豆腐のクコの実添えにみたらし餡の合せもの。
多彩な前菜は画面上部小鉢の左の柿と茸の白和えに右は鰊粕生姜。手前の鉢は唐墨、袱紗焼、茸揚げと黄金烏賊にミニ焼き芋、吹き寄せの盛り合わせである。
前菜の次に記された割鮮(かっせん)は初めてお目に掛る用語だが鮮度の良い魚を割る(切る)という意味で刺身やお造りと同意語であるらしい。
刺身の材料は蔵王美澄鱒(ざおうみすみます)と黒瀬鰤(くろせぶり)と記載されている、要は鱒と鰤の刺身であるが海水魚の鰤と淡水魚の鱒の取り合わせが如何にも山中の宿らしい。と思ったのだが後に確認すると鱒=淡水魚、鮭=海水魚という単純な区分ではないらしい。但し海で採れる鮭にはアニサキスの寄生があるので生食は避けるべしとされているがこの鱒は蔵王の土地名を冠しているので山の幸の淡水魚で間違いないだろう。
割鮮鉢の隣は強肴(しいざかな)で
仙台牛と仙南豚に野菜を添えたローストであるが角皿に敷いた厚手の樹葉で朴葉焼きの雰囲気を漂わせている。
山葵で戴く牛と豚肉にウインナソーセージのおまけでボリュームアップされ野菜も南瓜、蓮根、ピーマン、紫大根に薩摩芋と添え物の域を超える程多彩な一品である。
強肴に続いて料理の主役を務める台の物は丹波産猪の鍋物即ち牡丹鍋である。アルコール固形燃料で加熱する鉄鍋には予め猪肉や野菜類が仕込まれており
火が通ったら添付の生卵に絡めるすき焼き仕立てで戴く。
本来は強肴や台の物に至る前に小腹を満たすのが凌ぎの役割である筈だが献立では台の物の次に登場する。流辿オリジナルの青根饂飩を鍋と一緒にと案内されているが
要はすき焼き鍋の締めを担ううどんである。凌ぎの役目には大いに疑問を感じるが鍋料理の締めとしては十分に満足できる。
平打ちの仕上げの幅広麺は食感が良く鍋汁がしみ込んだ残り野菜と共に美味しく戴いた。
凌ぎの次が食事という順序は反則に近い変則的な構成で大昔の遠い記憶を辿っても恐らく初めての経験である。
秋刀魚蒲焼小丼(さんまかばやきこどん)を称するご飯は確かに少量の控えめに調整されているが少し前に鍋のうどんを食しているのでこの量で充分である。蒲焼秋刀魚は小さめだが甘辛いたれのしっかりした味付で不足は感じない。
これに合わせるお椀は鰯つみれを浮かせた澄まし汁仕立て小丼との相性は良い。
なお献立の食事の項には+2000円でボリューム満点仙台牛の石焼ご飯へ変更する選択肢の案内もあり大食者の希望にも対応している。
ご飯のお伴になる漬物は甘酒蕪(あまざけかぶら)、蓮の芽柚子(はすのめゆず)、京菜漬けの3種である。蕪や京菜は漬物材料にはありがちだが蓮の芽は初めてお目に掛る珍品である。
暫く畳の上で待機していたデザートは流辿オリジナルの雪ふたえと越後ミニ大福の甘味の他に献立には記載がない果物の柿が加わる3種であった。
甘味や水菓子と記されるデザートは通常献立の末尾を占めるものだがこの献立ではおまけの夜食で締め括られる。デザート皿と共に出番を待っている紙袋には
「お夜食をご用意しました。小腹が空きましたらお召し上がり下さいませ。」と親切な印字がある。
中を覗くと四角の可愛らしいメロンパンが二つ。成程、夕食とは別に食事処で麺類等夜食の食券提供や無料サービスを行う宿は何度か経験しているが部屋食に限って夜食を提供する場合にはこの様な方式もあるのだと感じた。
夜間にこのメロンパンを食するとしたら(実際は食べずに持ち帰ったのだが)暖かいに越したことはない筈と思うと俄かに洗面室にあった電子レンジの存在意義が浮上し場違いと思われた配置の理由が納得できる。
献立には本日のパンとされているので少なくとも霜月(11月)の間の夜食は何らかのパンが供される筈で牡丹肉のすき焼きと締めのうどんに秋刀魚蒲焼小丼を食してもなお夜食を欲する向きにパンを温めてくれる電子レンジは有難い存在である。
食事中の飲料として日本酒を発注する経緯は既に館内電話の項で述べているが冷酒の扱いの有無等をフロントで確認した結果普段から愛飲している県北産「栗駒山」と県南産「蔵王」各々の常温1合徳利をQRコード経由で手配した。食事と共に届けられた2本のガラス製徳利は狭い卓上に居場所がないので止む無を得ず畳上の床置きとなってしまい写真撮影の機会も失念しまったので紹介できる画像がないがご容赦戴きたい。
因みに多品種を揃える「栗駒山」で一般的な緑ラベルの特別純米酒は芳醇な香りが持ち味で一方の「蔵王」はすっきりした切れの良い端麗な飲み口が特徴の対照的な存在である。
食事を終えたらお膳や食器類は廊下に置かれている回収用の台に戻す必要がある。2名分のお膳とデザート等を載せた床置きのお盆を3往復で搬出し夕食を終えた。回収台の食器類は随時従業員が下膳の任に就いて片付けられる。
Part.9 は流辿の朝食
(00:00)
2021年12月31日
【岩松旅館の食事】
岩松旅館の夕食は宿泊プランに依りバイキング会場のブッフェプランとダイニング会場の会席料理プランに大別されることは既にPart.2宿泊プランの項で述べた通りである。
一方朝食に関してはプランの如何に関わらず全て同じバイキング会場でのブッフェ食となっている。
【夕食】
会席料理プランの夕食は青葉館2Fにある作並ダイニング喜惣で供される。
夕食の指定時刻になってエレベーターで2Fに降りると右手に喜惣の入口が見えている。
紫の暖簾を掲げた入口前には自動体温計測機アルコール滅菌剤の配置に加えてマスク着用や黙食等の掲示で感染症の対策が為されている。
左脇の掲示にある紅梅(大広間)や客室(218~241)はこれまで見てきた館内図から明らかに広瀬館内施設への案内だが何度も述べている様に宿泊当時は休館中の様子で立ち入りが憚られる。
ダイニング会場は入口で迎えられた従業員の誘導で予め指定された席に着く。
畳敷きの床上で椅子に腰掛けるテーブル席は余裕を保った間隔で配置されており卓上は対面する同行者との会話に支障が生じる位に隙間なくアクリル板が設置されている。会食には大変不便な環境ではあるが感染防止の為には止むを得ない措置である。このアクリル板の障害もあって会場内の撮影を怠ってしまい残念ながら紹介できる写真はない。
着席した卓上には既に幾つかの料理に神無月の献立表が添えられていた。
余談に類する話になるが献立表の末尾に署名のある料理長の姓「東海林」は全国的には「しょうじ」と読むのが常識の筈だが仙台地域では「とうかいりん」である場合が多い。
卓上には予め
右奥にコンロで加熱する陶板の鍋と
その手前に先付の皿と柑橘酢のグラスに
前菜の二段重が用意されている。
画面で前菜重の右に控える皿は着席後に運ばれたお造りである。
先ず注文した飲み物はいつもの通りの冷酒で選んだ澤の泉の生酒はワイン並みに氷入りのクーラーで供されたがアクリル板の障害故に対面する同行者とは酒瓶のみをアクリル板の上端越しにやり取りするしかなく互いに手酌で嗜むことになった。
説明が前後するが献立表の先頭にある 座付 健康 柑橘酢がグラス飲料の正体で白色の深皿の先付は炙り秋刀魚に若布と菊、胡瓜にジュレを添えた一品である。
献立表に「旬菜彩々」と記されている前菜の二段重は「しゅんさいとりどり」とでも読むのであろうか。この旬菜彩々は食材の説明が全て省かれているがお重の中は多彩で
1段目は生野菜添えのミートローフに手前に見えるチューブ入りマヨネーズ系の調味料を掛けて戴く。
2段目は4種の料理が収まっておりクリームチーズ、豚バラ肉煮、野菜等の寒天寄せは理解できたがテリーヌ風の固め物は食材が不明であった。
献立では造里 魚介 盛り合わせとしか記されていない刺身は海老に帆立貝柱、赤身鮪と白身の鰤が加わる4種盛りである。
陶板鍋の蓋を取ると奉書包みが現れ
包みの中はのどぐろ(赤ムツ)に栗、銀杏、舞茸の季節ものに加えてブロッコリーと色麩の色彩が添えられている。
のどぐろの切身は粕漬風味の下味が施されており何もつけずにそのままで戴く。
北海道産カラスガレイの煮付けは大き目の半身にほうれん草と白髪ねぎを添えて供されたが撮影を忘れて食べ始めた為最後の一口の光景を記録するに留まった。残った煮汁の色合いから濃い目の味付けは容易に想像できると思う。
続いて運ばれたのは山形牛すき焼きの材料で
左奥に置かれたコンロ上の波型鉄板に牛脂を溶かして牛肉を載せて
焼き色が付いたら野菜類を載せて急須で供される出汁も加えて煮込めば
すき焼きが完成し
卵汁に潜らせて戴く。
この後はご飯と汁物に漬物の食事とデザートが続くがカレイの煮付けと
すき焼きで満腹となり
ご飯は遠慮して漬物と芋の子汁のお椀を戴くことにしたのだが
芋の子汁は山形風を称するだけあって牛肉と里芋の上品な醤油仕立てであり何よりも牛肉の多さに驚いてしまった。
献立に記された水菓子が会席膳の締め括りで胡桃タルトと梨を食して夕食を終えた。
Part.10は朝食バイキング
(00:00)
2021年10月22日
【佐藤屋旅館の食事】
佐藤屋旅館では夕食、朝食共に部屋食で供される。先に見た通り館内の木造部分には大広間の設えがあるので食事会場としての利用も可能と思われるが敢えて昔ながらの部屋出し食のサービスに拘っている様に見える。
【夕食】
指定した夕食時間になると料理が部屋に運ばれる。
初めに並べられた夕食膳がこれ。
中央奥の蓋付鍋は牛鍋で固形燃料で加熱する。
鍋の両側の空き地は後に供される料理の置き場である。
中段の左端はトマト豆腐で赤い豆腐ととろみのある白いソースの対比が美しい皿。トマト豆腐は初めてお目に掛る料理だが胡麻豆腐や胡桃豆腐等と類似の製法でジュース状に砕いたトマトの成分を加えたものものであろう。実際に食すると赤い見た目を超えるトマトの存在感は感じられなかった。
奥に見えている冷酒は後に説明する。
右隣りの蓋付鉢は穴子の炊き合わせで白煮の穴子に緑の蒟蒻、ヤングコーン、トマトと色彩を意識した添え物が加わる。
更に隣の右端は蛸と湯葉の酢味噌掛けの皿で茹蛸の酢味噌味はよく見るが湯葉との組合せは珍しい。
少し遅れて凌ぎのそば椀と刺身やと天ぷらの盛皿が運ばれる。
凌ぎのそばは錦糸卵と刻み海苔、刻み葱に少量のとろろを添えたかけそば仕様で小腹を満たす好適なタイミングで供されたので即刻完食した。
刺身は白身魚、中トロ鮪、海老、鰤の4種盛りだが多品種の白味魚に関しては相変わらず知識が薄く品定めができない。強い歯応えを感じない食感は鯛の類より鱸(すずき)系統の魚であろうか。
ちょっと行儀は悪いが綺麗な盛付を崩すと各々の識別が容易になる。
揚げたてで運ばれる天ぷらは海老、鱚(きす)、茄子、南瓜、しし唐の5種盛りで予め用意されている天つゆで戴く。
こちらはえび天に隠れていた鱚と南瓜の天ぷら。
これらの料理に箸を進めていると
牛鍋にも火が通りはじめ
やがて食べ頃となり一緒に炒められたキャベツ、エノキ、ヤングコーンの野菜類と共に胡麻ダレで戴く。
説明を先送りにしていたが今回の宿泊は一人に生ビール1杯の無料サービスが付くプランであった。しかし予約の手続段階で普段からビールを飲む習慣がなく日本酒への変更希望を伝えると2名で冷酒(300ml)1本の提供が快諾された。常温の徳利酒でも十分と思っていたので澤の泉の生貯蔵酒は望外のサービスであった。
美酒に酔ってお櫃のご飯と汁物が供される食事の記録を怠っていたが
ご飯はパスして汁と漬物を戴き
最後に運ばれたサクランボとメロンのデザートを味わって夕食を終えた。
【朝食】
翌朝に運び込まれた朝食膳である。
奥の蓋付鍋は固形燃料で加熱調理するベーコンと青菜のバター炒めで焦げ付き防止のクッキングシートが敷かれている。
ベーコンの表面に薄く脂が浮いてきたら食べ頃。
鍋の左はデザートのオレンジと海苔に小鉢は切昆布とアサリの和え物。
これらの料理に漬物と味噌汁を加えて
お櫃で供された白米のご飯を戴く。前夜は口を付けなかったが美味しいご飯をお代わりして温泉宿の和朝食を味わいご馳走様をした。
Part.6はWi-Fi環境や宿泊プラン等
(00:00)
2021年08月13日
【大沼旅館の食事】
大沼旅館の食事は夕、朝共に宴会場で供される。
施設の外観では画面左端の南館に接する切妻2F建屋の部分が宴会場である。
案内された宴会場1Fの内部は天然木の小振りな囲炉裏を載せた掘り炬燵を備える個室が多数設えられている。個室の仕切は簡易な襖仕様で取り外せば板床の広い空間に変更できそうだが掘り炬燵の位置は固定されているので炬燵穴を覆う床板の備えが無ければ広間としての機能には制約がありそうに見える。
また外壁の窓と個室仕切の配置にはずれがあり仕切りは後付けの設置と想像できる。
【夕食】
案内された個室の囲炉裏には既に鉄鍋が懸かり幾つかの料理も並んでいた。
鉄鍋は鴨鍋で鴨肉の他に鍋料理定番の野菜や茸が
塩味に仕立てられていた。
その他卓上に並ぶ料理の中でメインは
南瓜とピーマンにエリンギを添えた仙台牛の陶板焼きで
塩、山葵、たれの三種で味わう。
小鉢の料理に目を転ずると帆立と湯葉の煮物オクラ添え、里芋の味噌味に
もずく酢、チーズ豆腐が並ぶ。
少しすると焼豚と蛸の頭のマリネが加わり
白い角皿に盛られた鮪と帆立に青柳のカルパッチョと
茶碗蒸しも供される。
これらを食していると串刺し岩魚の塩焼きが運ばれて夕餉の料理は佳境を迎える。この淡水魚は蔵王山麓の湧き水に依る養殖魚と紹介されている。
食事中の飲物は品揃えの中から冷酒を選んだところ
町隣の白石市にある蔵王酒造が醸す生貯蔵酒が供された。
ここ迄紹介してきた通り多彩な料理が用意されて好ましいが品書の提供が無いのが残念である。どの様な食材の料理がどの様な順序で供されるかが予め把握できれば好みに応じたペース配分で楽しく飲食できるが次に何が運ばれるか判らない儘に出されたものを黙々と食するのは余り幸せな作業とは思えない。
例えば終盤に運ばれたご飯には汁物が付くものとばかり思っていたが実際に汁物は無くどうやら最初から食べ頃であった鴨鍋が汁物を兼ねていたらしい。しかし鴨鍋は既に食べ尽くしていたので汁なしでご飯を食することになってしまった。細かいことかも知れないが「鍋は汁物も兼ねていますよ」とか一言の案内があれば有難い。
食後のデザートに小皿に盛り合わせたりんごのコンポート、梨、ミルクプリンを戴き
汁物代わりのお茶で喉を潤して食事を終えた。
Part.7は朝食からチェックアウトまで
(00:00)
2021年06月18日
【佐勘の食事】
チェックイン時に手交された宿泊案内書には食事場所も記入されているが夕食と朝食は異なる会場となっており夕食会場は山翠館2Fの大宴会場「松」で朝食は飛天館2Fのダイニングレストラン「宮城野」が指定されていた。
【夕食】
夕食の時間に花月館のエレベーターで2Fに降り時計回りに玄関棟の吹き抜けを過ぎて
山翠館に入ると左側に現れる畳敷きの大宴会場が広い廊下の奥まで連っている。
「松」は大宴会場の最も奥に置かれた区画で
部屋(グループ)毎のテーブル席は広い間隔が設けられ
障子風の仕切も配置されており感染症対策に行き届いた配慮を感じる。
案内された席に着くとテーブル上には既に幾つかの料理が並び
片隅には三つ折りされた献立の品書きが控えている。品書を開くと令和2年霜月(2020年11月)の日付と料理長の名前が記されており
料理のトップには食前酒の宇和島柚子ビールが紹介されている。画面の右下の食前酒はちょっとした演出があって
卓上に敷かれたマット代わりの敷き紙は料理長の筆と思われる柑橘類のデザインが初冬の季節を表現しており柚子ビールの採用もこの様な風情を演出する一部と思われる。但し一口で飲み干せる程度の液体に発泡性は認められずビールの感覚は薄いが爽やかな柑橘類の香りを楽しむことはできる。
敷き紙の中央には先付の水こぶ胡麻和えと3種の前菜皿が並んでいる。
前菜皿左端の小鉢はスルメイカの味噌和えで隣は蟹身と菊花甘酢浸し
右端は牛八幡巻と子持ち鮎と記されているが画面でも認識できる通り根菜類の牛肉巻きと半切された鮎の甘露煮である。
品書に造里と記されているお造りは白身の鯛と赤身鮪に甘海老が加わる三点盛りで着席後に供される。
焼物は右奥に置かれた陶板を固形燃料で加熱する牛ロース肉の陶板焼きで
根菜やきのこ類と共に焼き上げ
3種の薬味(かんずり、岩塩、山葵風味の大根おろし)で味わう。なおかんずりは以前にも述べているが赤唐辛子を加工した唐辛子味噌で新潟県妙高市の有限会社かんずりが製造販売する商標登録製品である。
これらの料理のお伴に
宮城県内栗原市金成(かんなり)産純米酒の冷酒を選択した。
料理の途中で小腹を満たす凌ぎは予め用意されていたはらこ飯でつば広の白皿への盛り付けがお洒落である。
凌ぎの役割故にご飯は少量だが多めに載るイクラが嬉しく完食した。
【余談: はらこ飯】
はらこ飯(めし)は以前の稿でも触れた記憶があるが宮城県南沿岸部の亘理地域が発祥とされており県内では良く知られ存在である。仙台駅は駅弁の種類が最も多い事でも知られておりはらこ飯の駅弁は牛タン弁当と肩を並べる人気商品となっている。従って駅弁版のはらこ飯は東北新幹線の車内でも販売される他東京駅の大型駅弁販売店でも扱われている。
はらこ飯の要は鮭の切身を甘辛味に煮付けその煮汁ごと炊き合わせたご飯に味付け鮭子のイクラを載せる鮭版の親子丼であり鮭の遡上期となる秋口が旬の時季である。
【夕食の続き】
煮物は土鍋風の蓋付鉢で食事中に運ばれる。
蓋を開けた中は輪切りの大根と鰤の炊き物で大根にはたっぷりの餡がかけられている。
メインの料理となる台の物は仙台せり鍋の記載に地鶏と冬野菜いろいろと付記があるが分かり易く言えば地鶏に冬野菜を加えた芹鍋である。
左奥に控える鍋の鶏と野菜に火が通った後に
別置きの根付き芹を加えて鶏出汁の芹鍋が完成し
小鉢に取り分けて戴く。
多彩な料理を食し終える頃に食事のひとめぼれご飯と止椀のとろろ汁が供されて
ガラス小皿に載る漬物をお伴に戴く。漬物は品書では香の物3種盛りとなっているが3色の漬物に紫蘇巻きが加わっている。
品書では甘味とされるデザートはブラマンジェで仙台石井屋&佐勘コラボ第4弾の付記がある。透明容器の中に見える半透明の食品はゼリーか寒天寄せにも見えるが
謳い文句通り表面に突き刺したプレートが石井屋×佐勘の共作(コラボレーション)を主張している。
ブラマンジェと言われても何のことやら、ゼリーやババロアと何が違うの?程度の知識しか持ち合わせていないので食感が滑らかな寒天風のデザートを食した感覚で夕食を終えた。
因みにブラマンジェが気になる方はこちらを参照戴きたい。要は冷菓の一種でフランス語のblanc-manger「白い食べ物」が由来とか。
Part.9は佐勘の朝食
(00:00)
2021年03月26日
【食事会場】
気仙沼プラザホテルでは先に紹介した1F大宴会場の「鼎(かなえ)が浦」と2Fのコンベンションホール「飛天」が食事会場に設定されており
チェックイン時に受領した食事券に夕食と朝食の会場が指定されている。
どうでも良いことだが夕食は御夕食券で朝食は朝食券と表記の不統一ちょっと気になる
【夕食】
夕食の会場は食事券にも記載がある通り1Fの大宴会場「鼎が浦」となっている。
鼎が浦の名称の由来は館内に掲示されていた説明に譲る。
大宴会場は海に面する男湯大浴場とは背中合わせで山側に隣合い専用の通路が奥迄伸びている。通路手前の障子は閉ざされており最奥に進んで入場する様に案内がある。
大宴会場故に室内は畳敷きで舞台の設えもあるが感染防止の対策でグループ毎に距離を置き衝立も設置する配慮が為されており指定された席に誘導される。
案内された席は料理を並べる主卓と飲料メニューやお絞りに下膳皿等の空間を提供する副卓が間隔に余裕を保って配置されている。
画面の右端で舞台の前に控えているのは
お茶と水のセルフサービスでここにも広い空間が設けられて密集を回避する対策が施されている。
着席した卓上には既に幾つかの料理と品書が用意されている。
先ずは冷酒の品揃えから気仙沼市で醸された男山本店の特別醸造酒蒼天伝(そうてんでん)を夕餉の伴とした。
塗り箱に収められた前菜は
左奥の小鉢が品書で毛鹿の星と称するモウカザメの心臓とか。人生で初体験となる珍品は鮮やかな赤色を呈しているが筋肉質の硬いイメージとは異なり柔らかな食感であった。
隣は鮑を添えた鮪の卵煮付に
右奥は鰹みぞれ煮と海の幸の珍しい品が嬉しい。
左の手前は酢味噌の風味を添えるふかひれのテリーヌに
隣は銀鮭南蛮漬けで
右端の炙り秋刀魚棒寿司は一口に余る大きさが小腹を満たす凌ぎの位置付けと感じる。
品書に旬の海の幸五点盛と記されたお造りはサーモン、メカジキ、鮪、海老、帆立の5種。
加えて台の物の鰹の刺身が加わり刺身三昧の雰囲気を味わう。
品書では鍋物とされているのは鮑の陶板焼きで卓上コンロで踊り焼きの醍醐味を体験し
焼き上がりはナイフとフォークのでテーキ感覚で味わい
完食した。
遅れて供された焼物はメカジキのステーキで淡泊な食材に餡かけの味付けが施されており
これも美味しく戴いた。
その後の供された洋皿はトマトサラダの黄身酢がけと称する品でくり抜いたトマトの中に蟹、蛸、烏賊の海鮮材料に枝等も詰め込み
黄身酢のドレッシング風味を加えて戴く。
予め卓上に配置されたコンロ上の土鍋は個別に白米を炊く趣向で固形燃料で20分加熱後10分蒸す様に案内がある。
指示通りに蒸し時間を守ってから蓋を取り出汁昆布と共に炊き上がった白米と向き合う。
土鍋の底部にはうっすらとお焦げの層も形成されておりコメの水加減と固形燃料の加熱時間の絶妙な設定を感じる。
ご飯の炊き上りに合わせて椀物が供される。加えて予め用意されていた香の物二品(漬物と梅干)をご飯のお伴とする。瓢箪型の漬物皿に載る白いものは山芋の酢漬けで珍しい品。
品書で椀物とされている汁物はスープカップに収められた気仙沼名産フカヒレスープで丸形のスープスプーンで戴く。
普段ではパスする白米ご飯を戴いた後に供されるフカヒレはちみつ掛けのアイスクリームとメロンのデザートで夕食を終えた。
Part.7は朝食会場の様子
(00:00)
2021年01月22日
【レストランの食事】
夕食、朝食共に食事会場は本館1Fのレストランに設定されており
チェックイン時に手渡された食事券には選択した開始時間が記入されている。
【夕食】
定刻にマスクを装着してエレベーターで1Fに降りてフロントの奥に進むとクランク状に折れ曲がった通路の先にレストランの入口があり
内部の受付で食事券を提示すると
右奥に拡がる食事会場の指定された席に案内される。
卓上には既に幾つかの料理が配膳されており先付と思われる4種の小鉢は
左奥がごま豆腐と蛸にパプリカとオクラの色彩をあしらったもの。
右奥は2種の鶏肉で蒸し鶏と鶏肉の牛蒡巻きに葉野菜と二色のミニトマトが添えられている。
左手前は茄子の炒め物で
緑葉を模した小皿に載るのはサーモンのテリーヌ。
漬物皿は締めのご飯のお伴だが大き目にカットされた蕪酢漬けのに加えて山芋の漬物が珍しい。
しかし何よりも主役である山形牛のしゃぶしゃぶ食材が大きな存在感を示している。
着席して卓上の料理を見極めて何から箸を付けようかと思案している最中に凌ぎのそばが運ばれた。
今迄の経験では凌ぎの品は料理を味わっている途中で供されることが多かったが先ずは小腹を満たしてから時間をかけて料理を楽しむ役目からは何にも先んじて提供しようとするもてなしの心遣いを有難く感じる。
すり下し山芋を掛ける一手間を加えた細打ちのそばは喉越しが良く小腹を落ち着けることができた。
しゃぶ鍋には先ず野菜類を投入し
煮立った頃合に浸して色が変わり始める頃に引き上げて食した山形牛は大変美味であった。
食事が進む途中で角皿に収められた中華の料理2品が運ばれる。
一つは冬瓜と帆立の卵白あんかけで蟹肉も炊き込まれている。
もう一つは海老チリソース炒めであった。
これらの料理を戴きながら地元山形の蔵元男山の冷生酒を嗜むと満腹となりいつもの通りご飯抜きで汁物と漬物で夕食を終えた。
Part.7はアストリアホテルの朝食
(00:00)
2020年12月04日
【食事】
ゑびす屋の食事は夕、朝共に部屋食で供された。
【夕食】
中井さんの手に依って部屋に運ばれた夕食はお膳に載る6品の料理と
漬物にご飯と汁物が添えられる。
中井さんから口頭で料理と食材の説明を受けた記憶はあるが全て失念してしまっており品書の類も添付されなかったので以下の説明は極めて大まかなものである。
左奥のお造りは鯉の洗いで酢味噌が添えられている。
右隣の角皿は岩魚の塩焼きで
手前に並ぶ小鉢は蕗とこんにゃく等の煮物と
数種の茸のみぞれ和えに
ふろ吹き大根風だが同じ鉢に同居する食材は記憶に残っていない。
右手前の蓋物は芋や茸、こんにゃく等の炊き合わせである。
これらの料理に日本酒を添えて夕食を戴いた。
【朝食】
こちらは朝食。
奥は焼鮭と厚揚げ煮物でしそ巻き、納豆、梅干し、温泉卵は朝の定番。納豆はとろろを和えに刻み葱を加えてあり気が利いている。
加えてデザートの果物と漬物3片の沢庵が添えられており良くある和風朝食であった。
【チェックアウト】
朝食後にも館内の浴室に足を運び温泉に浸かってのんびりと過ごした。
10:00のチェックアウトでは
1泊2食税込\9500+入湯税\150+日本酒1合\450=\10,100
の清算となった。
Part.4は帰途に見た工事中のループ橋
(00:00)
2020年11月13日
【二宮荘の食事】
二宮荘は自家栽培の野菜を使う創作料理と同じく自家栽培のひとめぼれのご飯のおいしさをアピールしている。
夕食、朝食共新館1Fの大広間のテーブル席で供される。
【夕食】
夕食は和食主体のお膳料理で
左奥は鍋の定位置で中央は八寸右奥にはお造りの皿が陣取っている。
鉄鍋の蓋を取ると豚肉に野菜や茸、豆腐につみれ等を加えた寄せ鍋。
中央の八寸は3種で構成され右側の平皿はホタテのサーモンのマリネ仕立てだろうか。中央のグラスに入った野菜と左の小鉢の豆腐らしい料理の記憶は失われているが自慢の創作料理であったかと思う。
右奥の刺身皿は鮪とレモン添えの帆立に海老の3種盛。
左手前は洋風料理で海老のグラタン、隣には茶碗蒸しが並ぶ。
【朝食】
卓上に並んだ料理は漬物皿を含めて8品で
ご飯と味噌汁を加えて朝食が完成する。
左側は朝食定番の海苔や納豆に生野菜と野菜の煮物が加わる。納豆に添えられた大根おろしが嬉しい。
右奥の角皿は鰯の甘露煮でその手前は青菜のお浸しで隣の鉢に収まる餡餅は田舎の風情を感じる。
これらを完食して朝食を終えた。
【チェックアウト】
朝食後にもう一度温泉に浸る時を過し折からの降雪に備えて出立の身支度を整えた。
チェックアウトでは
(宿泊費7000+入湯税150)×2名+暖房費1000=¥15300に日本酒350×3本=¥1050を加えた\16,350
を清算して帰途に就いた。
【終章】
二宮荘は民宿として運営されている温泉宿でアメニティ系のサービスは極限まで削られており各自でバスタオルや寝間着を持参する必要がある。
自家栽培野菜の創作料理や同じく自家栽培米ひとめぼれのご飯が供され家庭的な雰囲気の宿である。
完
(00:00)
2020年10月23日
【食事】
8年前の宿泊で記憶が薄れてしまい定かではないが夕、朝食共に部屋食であったと思う。
Part.1の館内図で見た通り館内2Fには大、中、小三箇所の宴会場が配置されているがそちらへ案内された覚えはない。因みに宴会場の合計収容人員は300名と公表されている。
【夕食】
夕食膳は一皿3種の先付の他8品が並びご飯と汁物に漬物皿が付く。
持ち込んだ日本酒で大崎市松山産の一ノ蔵の瓶が画面の左端に写っている
左奥はフォアグラに夏野菜とエノキを添えた鉄板焼きで固形燃料のコンロで加熱するが熱の通ったフォアグラは油味が強く好みに合わないと感じた記憶が残っている。
右隣りは川魚の塩焼き。以前から述べている様に川魚の知識に疎いが頭の形から岩魚であろうか。
右奥は刺身皿でマグロの赤身、海老、帆立の三点はいずれも海の産物の盛合せ。
手前には茸のみぞれ和えと海老を添えた舞茸の冷製仕立ての鉢が並ぶ。
更に手前の先付は一皿に栗蒸し、ジュレ掛の茸と白色小鉢の3種が載る。白小鉢の緑色はずんだ餅か白玉だったろうか?
焼魚の手前に鳩を模した鉢は薬味を載せた奴豆腐。
左隣りは小さな天ぷらを添えた生野菜の皿で
一番手前はチーズ載せのビーフシチューをグラタン皿で焼き上げた品である。
【朝食】
朝食は夕食より小さ目の朱色お膳で供される。
料理はデザートを含めた7品に
ご飯と味噌汁、漬物小皿が加わる。画面ではお膳上に味噌汁を置く場所が無く畳の上に追い出されている。
コンロの定位置である左奥の鉄鍋は湯豆腐で手前の取り皿のたれで戴く。
右隣の角皿はワカメ添えのホタルイカであろうか。右奥小鉢のトッピングにイクラが見えているが薄桃色の細麺が何であったかは記憶に無い。中央の小鉢は茸の煮物。
朝食定番の焼海苔や温泉卵はご飯のお伴でとして安定した存在でご飯をお代わりした。
締め括りにデザートのコーヒーゼリープリンを食して朝食を終えた。
【チェックアウト】
朝食後はチェックアウト迄の時間を内湯と露天風呂の白濁湯の入浴をはしごして過ごした。
チェックアウト時に
(宿泊料単価\8000+税\400+入湯税\150)×2名=合計\17,100
を清算して帰宅の途に就いた。
【帰路】
この日の帰路は無駄な寄り道を画策して中山平温泉からR47で一旦山形県最上町の赤倉温泉に向い山形、宮城の県鏡を乗り越える田代峠の未舗装悪路の走破に挑んだ。この経路は田代峠を越えた宮城県側の一部にセンターラインを備えた立派な舗装区間があるにも拘らずその両端は未舗装の狭路に挟まれた不思議な道筋が有名な存在である。
未舗装の狭路、悪路の末に辿り着いた加美町宮崎地区からはR347で加美町中心部の中新田地区に至りいつものR457経由で無事に帰宅を果たした。
未舗装砂利道の峠道を走行したお陰で前輪や
後輪のタイヤやホイールハウス周りには尋常でない砂利屑の白っぽい汚れが付着していた。
【終章】
中山平の温泉宿は鳴子峡からJR陸羽東線中山平温泉駅の間の国道R47と大谷川の沿線に散在しているが小さな宿が多い中で仙庄館は客室数44室の規模を誇る施設である。
何より高温自家源泉に天然水加水の掛流し温泉は白濁ばかりでなく色の変化もあるそうで心地良い湯浴みに身を任せることができる。
完
(00:00)
2020年08月28日
【露天風呂】
洗い場の奥にあるサッシ戸から出入する露天風呂は
石組みの浴槽で底面も平石を張り詰めているがここにも掛流しの越流は認めず
底面の一部(画面の右端)に内湯と同様ステンレスの排湯板が設置されており内湯と変わらぬ給排湯のシステムとなっている様子が窺える。
浴槽に浸かると山峡の雄大な景観を堪能でき宿の名に「お山のめぐみ」を冠する所以が頷ける。
【青根温泉の泉質と掛け流し】
脱衣室内部には温泉の泉質や掛流しに関して幾つかの掲示があった。
最も分かり易いのは白骨温泉の入浴剤を使用した白濁湯の問題等を受けて作成したと思われるこの掲示である。
長い文章だが要約すると以下の4項目となる。
・青根温泉は川崎町が源泉を管理して各旅館に配湯している。
・当館は配湯される湯を掛流しで利用しており循環濾過や加熱は行っていない。
・浴槽は下部(底面)から廃湯しているので縁から溢れてはいないが掛流しである。
・当館の社長と若女将は温泉入浴指導員の資格を有しているので入浴の相談を受けている。
青根温泉の源泉は町の管理下にあり各施設には同質の温泉が配られていると理解できる。
更に社団法人日本温泉協会が2005年9月に発行した温泉利用証は「とだ家」の不忘の湯に特定されているが源泉に関する情報欄には
源泉名: 大湯 他6本(混合泉)
湧出形態: 自然湧出·動力揚湯
泉温·湧出量: 45.6℃·毎分501リットル(合計)
泉質名: 単純温泉
の記載があり大湯源泉を含む計7本の混合とされる源泉が町が管理する町営温泉の実態と思われる。
浴槽に関する情報はとだ家の個別状況で
循環装置: なし
給排湯方式: 完全放流式
加水: なし(湯量に依る温度調整)
加温: なし(湯量に依る温度調整)
新湯注入量: 毎分11~20リットル(所要時間3時間6分)
注入温度: 44.0℃
浴槽温度: 43.0℃
入替頻度: 2日に1回
とされている。
43℃の浴槽温度は加水加温をせず源泉の給湯量に依って調整しており隔日で浴槽の湯を入替えて清掃していると読み取れるが毎分最大20リットルで3時間程度の給湯量は3600リットル(=3.6t)となるが男女の内湯と露天の浴槽4箇所の同時給湯は難しいのでないだろうか。但し男女別で日替わりの清掃と新湯の給湯であれば不足はないだろう。
こちらは全国共通の温泉成分分析表で前の画像と同様ピンボケだが
泉質: 単純泉 低張性中性高温泉
泉温: 分析時49.8℃、使用位置51.0℃
と読み取れ更に左上端の源泉名には
新名号の湯·花房の湯·新湯·山の湯源泉·蔵王の湯·大湯 混合泉と記載されている。
先に紹介した温泉利用証には大湯の他6本の混合泉とされていたので残りの1本の有無に疑問が残る。
因みにこの分析表は平成20年(2008年)11月発行と記されていた。
【夕食】
とだ家の食事は夕食朝食共に写真が少なく記憶も不確かだが部屋食でないことは確実なので宴会場で供されたと思う。
夕食は9品程の和食会席膳で川魚の焼物に野菜と海老の天ぷら盛り、刺身皿は烏賊としめ鯖にサーモンの三点盛り、先付皿は海老の焼物と枝豆、茸のみぞれ和え、酢の物に漬物の小皿が並び食前酒の果実酒も添えられている。
主役は蓋付の陶製容器に香辛料を纏わせた豚肉に玉葱と舞茸、シメジ茸を添えた焼物。
食後はコーヒーゼリーとラズベリーのプチケーキにミントのクリームを添えるお洒落な造りのデザートが供された。
【朝食】
朝食も前夜と同じ会場食であったと思われる。
9品程が並ぶ料理は和食材が主体で
スライスハムに千切りキャベツとポテトサラダを添える皿が唯一の洋風料理で他は牛蒡のきんぴらや明太子、きのこみそ等が並び
味付け海苔や冷奴、納豆、漬物は和食の定番の品である。冷奴と納豆に添えられた刻み葱の一手間に嬉しいもてなしを感じる。
【終章】
「お山のめぐみ とだ家」は山峡に位置する青根温泉の中心部にあり源泉掛け流し温泉を堪能できる純和風の温泉宿であった。
温泉街を包み込む様に聳える蔵王山系の豊かな緑は紅葉の兆しがあり季節の移ろいの予感があったが
初秋の青空が最大の景観であった。
完
(00:00)
2020年05月29日
【夕食の会場】
夕食と翌朝の食事は宿泊棟1Fの宴会場で供される。
フロントの脇にある通路の会場案内に従って奥に進むと
右手が会場となっており
内部は和風の低い椅子とテーブルが配置されており部屋別に指定された席に着く。
【夕食の料理】
着席時の卓上には僅かな小鉢が並ぶのみだが
これから供される料理を記した献立が用意されている。
先ずは特典のドリンクサービスのメニューから日本酒の酔仙一合徳利を常温で調達した。このメニューは
より多彩な品揃えで供される一般的な飲料類
の一部を抜粋したものとなっている。
以下は献立の記載に順に料理を紹介する。
前菜は三陸の珍味でメカブとホヤ、菊芋がそれぞれ三つの小鉢で供される。
画面上のホヤの鉢には若布が添えられている。右下のメカブは刻んで粘り気をつけ生姜風味の酢醤油味で戴く。ここまではいずれも海のものだが左下の小鉢の菊芋は畑の産物で厳つい外見に怯まず食すると里芋に似た滑らかな食感が美味であった。
香の物と記された漬物も海の物の若布が多数を占めている。
後から運ばれたお造りは鮑、鮪、鱈、甘えびの四点盛り。鮑が貴重な存在だが白身の鱈も新鮮な食感で甘えびも大きめで好ましい。
会席料理の主役となる台の物は帆立のバター焼きとわかめしゃぶしゃぶの2品が記されているが先に供されたのはしゃぶしゃぶ用の生若布で
沸騰した鍋に投入してしゃぶしゃぶすると
褐色の生若布が鮮やかな緑に変色し食欲がそそられる。しかもこの生若布はお代わり自由と案内されているがお代わりどころか食べきれずにお残しする事態となってしまった。
2~3月頃の三陸海岸は若布収穫の最盛期だそうでこの時季には仙台市内のスーパーにも流通し湯通しを済ませた緑色の若布パックが陳列されているので家庭の食卓の小鍋でも若布しゃぶしゃぶを楽しむことができる。
わかめしゃぶしゃぶに遅れて台の物二品目の帆立バター焼きが供される。大振りで肉厚の貝柱とヒモ(ミミ)の部分が貝殻に載っているが貝毒が溜るとされる黒色のウロ(中腸腺)は取り除かれている。バター風味で肉厚の貝柱は食べ応えがあった。
蒸し物は自家栽培と称するわかめの茶碗蒸しでしゃぶしゃぶと併せて和布三昧の献立となっている。
煮物は品書に記されている通り大船渡温泉の名物料理を自称する三日間煮込んだカジキマグロのカブト煮で大皿を載せたワゴンが各テーブルを廻り
小鉢に取り分けて供さされる方式となっている。
カブト煮は言うまでもないと思うが刺身や切り身の加工が困難な魚の頭部を丸ごと煮込むもので大型魚では脳天や頬肉など美味な部分が少なからず複雑な骨格の中に潜んでいる。この頭部を長時間煮込んで骨離れを促進することで秘匿されていた美味が味わえるので煮物料理の真骨頂と感じる。
煮物に続く焼物は自家製を冠したソイの一夜干しは魚尽くめでお魚天国状態。流石に全ては食べきれずしゃぶしゃぶと同様にお残しとなってしまった。
揚物の天ぷらは魚類に先立って供されが献立では心を込めて揚げた天婦羅盛合せと記されている。
2尾の海老以外は茄子、南瓜、大葉の野菜類が海の物から目先が変わって有難く添付の抹茶塩で食する。
豊富な料理に一合の日本酒では足りず冷酒を追加した。選んだのは宿のおすすめとされている酔仙の特別純米生貯蔵酒。この生貯蔵酒は南三陸大船渡温泉文字を配した特別ラベルを纏っており300mlで¥900の価格は一般的な設定。
因みに酔仙酒造は地酒の紹介に依ると隣町の陸前高田市の企業だが東日本大震災で蔵が流出した後大船渡市に蔵を新設再建した三陸復興のシンボル的な存在とか。
酔仙ブランドの日本酒はにごり酒、純米酒、純米吟醸酒も紹介されているが広田湾の海水中で熟成した海中熟成酒の取り扱いは珍しく未熟成酒との飲み比べセットが用意されている。
多彩な海の料理と冷酒を楽しんだ結果ご飯を収める腹の余裕がなくなり岩手県産ひとめぼれの白ご飯は諦め止椀の鱈汁を戴いたがお椀の底には大振りの鱈の身が潜んでいた。
締め括りにいよかんとぶどうのデザートを戴いて夕食を終えた。
Part.8は大船渡温泉の朝食
(00:00)
2020年04月03日
【宿泊プラン】
序章で一泊¥8000程と記した以外に今回の宿泊プランを紹介していなかったがその内容は「釜めし定食」ボリューム控えめで女性や小食の方にもオススメとされたものであった。
宿の紹介や口コミの情報に依ると多数の料理が食べきれないとの声から品数を絞りその分割安料金に設定した新たなプランとされている。
【夕食】
夕食時間に案内された場所は宴会棟2F大宴会場の大広間や1Fの食事会場ではなく客室棟別館隣室の萩の間で部屋の造りは百合の間と変わらぬ10畳間であった。
宿泊者が少ない閑散期の宿で隣接の客室を夕食会場とする設定は鳴子温泉久田旅館や肘折温泉金生舘でも経験している。客室とはやや趣が異なるが鶯宿温泉の寿広園も隣室が夕食会場であった
座卓上に配置された釜飯御膳は
奥に控える羽釜で炊く釜飯コンロの他に6品の料理が並んでいる。
釜飯の右手前はモロッコインゲンを添えた白身の焼魚で脂がのって美味だがムツか銀タラか見分けがつかない。
焼魚の手前はマグロの赤身と白身魚の刺身皿。白身魚の知識は少ないので魚種は不明だが鯛や鰤とは異なる淡泊な食感であった。
左側の鉢は紅葉下しを載せたキノコのみぞれ和えで
釜飯の左手前にある蓋付鉢の中身はチンゲン菜やピーマンにエビを添えた蕪の炊き合わせで薄味の挽肉出汁に仕立てられている。
炊き物鉢の手前は茶碗蒸しにご飯のお伴となる茄子や胡瓜の漬物小皿が並ぶ。茶碗蒸しは鶏肉に椎茸、三つ葉の定番具材に加わるコーンが珍しい。
ボリューム控えめとされる夕食膳だが刺身の二種盛りに和え物、焼魚、煮物、蒸し物と一通りの料理が供された。
大食漢には品数や量的に物足りないのかも知れないが個人的には十分で高清水の冷酒を添えて味わった。
温泉宿の夕食ではご飯を省略することが多いが釜飯御膳の主役である釜飯は芋の子汁と漬物をお伴に賞味した。
山野菜の釜飯に添えられた大振りの栗の実が秋の季節を感じる存在であった。
釜飯の食後に供されたケーキとパイナップルのデザートを戴き夕食を終えた。
Part.5は静山荘の朝食
(00:00)