2023年06月02日

【序章】
 4月下旬に掲載した以前のそば店の近況で紹介した十割そば会泉中央本店は2022年に鳥中華の店に改装されていたが2023年4月の下旬になって噂に違わず十割そばの店に再改装されて開店したので早速訪問した。

【店舗外観】
 2年前迄は頻繁に通っていたので勝手知ったる道筋から店舗敷地内の駐車場に乗り入れると道端に踊るOPENの文字を染めた赤い幟旗に迎えられ十割そば会の復活を感じる。
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 店舗外観

しかし店頭の看板を観ると十割の文字を丸く囲った緑色のロゴマークは健在だが昭和のそば処武蔵亭の表記のみで十割そば会の文字が見当たらない。
以前の店舗外観DSCN0130
 以前の店舗(2021年6月撮影)

因みに鳥中華の店に改装される前に掲げられていた看板はご覧の通りロゴマークと十割そば会の文字に泉中央本店の店名が添えられていた。
 あれ! 訪問時には全く気が付かなかったが2年前の写真と見較べると以前にはなかった駐車場側へ建物が拡張されてお持ち帰りの窓口が配置されていた。
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 スタッフ募集中

この窓口は訪問時には準備中で機能していなかったが開店早々でありいずれ従業員の陣容が整えばテイクアウトの需要にも応えるのであろう。玄関前に掲出されたスタッフ募集の看板からその辺りの事情が汲み取れる。

【入店待ち】
 店内に入ると既に入店待ちが生じており見慣れた予約票に名前と人数に席(テーブルorカウンター)の希望を記載するのは2年前と変わらぬ手続きである。

【店内】
 店内も2年前と全く変わらぬ配置で二重扉の玄関奥の会計カウンターから左手奥に伸びる客席は厨房側に並ぶカウンター席と通路を隔てた駐車場側の窓側にテーブル席が連なっている。

【品書き】
 僅かな時間待ちで案内されたテーブル席に用意された品書は以前と同様で変則的な縦長両面カラー印刷のラミネート加工を冊子に綴じ束ねたものでラミネートの剛直性故に卓上で平面に開き置くことができない厄介な代物である。
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 そばと重or丼のセット

 先ずは見易い1枚もののラミネートは入替が前提の季節の品と思われるがもりそばと各種の重物やまぐろ丼との多彩なセットが控えている。それらの中でもそばとうな重のセットは¥2200(税込以下同様)と以前の十割そば会では見掛けなかった高額設定で高級志向への転換を感じるが一方でもりそばとまぐろたたき丼¥930と馴染みやすい安価な品揃えもある。
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 冊子の品書き

いよいよ見辛いラミネート冊子を開くと最初の見開きは先程と同様のもりそばと各種の重もののセット品が前面に押し出されている。
この画面は片手で見開きの頁を抑えながらもう片方でカメラのシャッターを押す離れ業の賜物である。
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 つけそば

次の見開きはつけそばの品々でとりなんつけそば¥690とお子様つけそば¥390の設定もあり各種のトッピングを網羅した全部入りつけそば¥1000も用意されている。画面右下に見えるトッピングはピントが合わず不鮮明だが次の冷そばや温そばにも共通の品揃えである。
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 冷そば

 個人的に本命である冷そばの頁には基本的なもりそば¥550とざるそば¥630の他にかき揚げそば¥730、野菜天そば¥790、天ぷらそば¥830、海老天そばと海鮮天そばが共に¥1000となっている。
他に各々¥110で提供される生たまご、半熟たまご、自家製味玉、とろろ、大根おろし、辛子味噌、に刻み海苔、千切りねぎ等10種のトッピングは以前には見掛けなかった品々である。
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 温そば

 温そばではかけそば¥550とかき揚げ温そば¥730、野菜天温そば¥790、天ぷら温そば¥830、海老天そばと海鮮天そば¥1000は対応する冷そばと同額に設定されており温そば独自の品となるとりなん温そば¥690、山菜そば¥700、会津にしんそば¥930が加わる。お子様そば¥390は以前からあった品でチャーシュー入りの温そばに味玉とおにぎり風ミニ肉飯のプレート、オレンジジュースに加えて店内に設置されているカプセルトイ(所謂ガチャガチャ)に使えるメダルが付くセットメニューである。今回は確認していないが以前の店内はガチャガチャが男の子用と女の子用の2台に分かれており幼年児の細かい嗜好を捉える配慮(深謀遠慮)が感じられる。幼児から小学生低学年の子供達を抱える家族連れを取り込む戦略商品であろう。
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 アルコール類とテイクアウト品

 家族連れは週末の昼食需要での来店が狙いと思われる一方でぐい呑みセット¥1000や利き酒セット¥1450は平日の夕刻時間帯に帰宅途中の通勤者の立ち寄り需要を意識した品揃えかと思う。
 右ページのお持ち帰り丼は先に紹介した通りテイクアウトコーナーが準備中であったが店内に入れば発注できるのであろうか。

【大盛りの料金】
 以前の十割そば会はそばの大盛り無料が魅力であったが品書にその記述はなく厨房側の壁面に掲示された「そば多めは+¥50」、「大盛り1.5倍は+¥100」の大型木札に依って無料の大盛りサービスの廃止を知ることになった。
最近はあらゆる物価の高騰が続いており十割そば会もこの高波に抗えないと納得する以外の選択肢は残念乍ら見当たらない。

【野菜天そば】
 十割そば会の店で最近選ぶ品は野菜天そばかかき揚げそばが定番となっており
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 野菜天そば

今回も野菜天そばを+¥50のそば多めで発注した。
暫くして運ばれたそばは以前と変わらぬ盛付けに見えたが
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 以前の野菜天そば(2021年6月撮影)

一応以前に撮影したものと見較べると天ぷらの長皿とそばを盛る丸皿の色がダーク系となりそばの水切り役である竹製の簀子は黒色のプラスチックが採用されていた。つゆ猪口と薬味の小皿は以前と変わらぬデザインに見える。
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 野菜天ぷら

 野菜天ぷらも見慣れた盛付けで輪切りの大振りな薩摩芋を土台に茄子と蓮根、オクラの4種が立体的に配置されている。
以前の写真ではオクラの位置はピーマンが占めていたが季節や材料仕入れの都合による差異であり盛付けは以前の手法が引き継がれている。
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 十割そば

 以前にも述べているが十割そば会では練り上げた生地を加圧押出し機の射出口から細く成型した麺を茹で釜に直接投入する製麺法を採用している。
因みに近年は提供するそばの品質が飛躍的に向上している立食そば店でもこの方式を採用しする店が少なからず存在する。
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 細麺

十割そば会のそばは色白な仕上がりで一見では更科系に見えるが仔細に観察すると蕎麦の実の外皮に由来する黒いホシが散在しており挽ぐるみ系のそば粉を使っている様に見える。
又そばの太さは細麺が多い中で一部に幅広麺の混在を認める。この点に就いても以前から指摘しているが製麺機射出口の網目(ストレーナ)形状で麺の弾力性即ち口当たりに微妙な変化を与える工夫であろう。
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 麺の太さ

割箸の先端部と比較した麺は大部分は2~3mm程の細麺だが太いものは4~5mmに見える。
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 幅広麺

但し太い麺もその断面は長方形で短辺は2~3mmのきしめん風な幅広麺ではあるが太麺に独特の噛み砕いて食する程の違和感はなく柔軟な麺の喉越しが楽しめる。
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 そば湯

 十割そば会の店のそば湯は予め卓上の保温ポットで配置されておりセルフで利用する。そば猪口に残ったつゆに美味いそばでは出番がなかった刻み葱を投入しそば湯で調製したスープを味わいいつも通りのそば食を終えた。

【オープン記念のサービス券】
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 割引券

 会計カウンターで料金を精算するとオープン記念の割引券が提供された。以前から度々この種のサービスは実施されており従来は宮城県内4店舗(泉中央、富谷、南吉成、大野田)の共通券であったが今回は泉本店(泉中央本店から改称したらしい)限定となっている。有効期限は一箇月程に設定されている。

【終章】
 1年越しで復活した十割そば会泉中央の店は「昭和のそば処武蔵亭泉本店」と看板を架け換えたが十割そば会のロゴマークは健在で基本的な品揃えやオペレーションも以前の店と変っておらず十割そば会のチェーン店であることは間違いない。
但し4月末の時点で十割そば会のHPに泉中央店の開店情報はなく宮城県内の店舗情報には富谷本店、大野田店、仙台吉成店の3店舗が掲載されている。
 泉本店では無料のそば大盛りサービスが廃止され価格も以前より値上げの方向で設定されている様だがそれでも尚もりそばとかけそばがワンコイン+税、天ぷら付きのそばも税込みで¥1000以内と庶民に優しい価格設定が有難い店である。




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