2020年02月
2020年02月28日
【朝食】
翌朝の食事は7:00~9:00の時間帯で昨夜とは異なりフロントロビーに接するコンベンションホール青麻でバイキング方式で供される。最終入場は終了30分前の8:30とされ各自が先に紹介した朝食券を持参して入場することになる。
開始時間から40分程後に1Fに降りるとフロントロビーの部分も朝食会場の一部で機能しているのに少々驚いた。
そういえば昨夜浴場からの帰り道で撮影した夜間のロビーにはチェックイン時には無かった白布を掛けたテーブルが幾つも配置されておりぼんぼり風の照明を配したソファーはテーブル状の板で塞がれて着席不能となっていた。
このテーブルやソファーを塞ぐ天板が朝になると食器や料理の陳列台の機能を発揮している。
【バイキング料理】
トレーを積み上げた処が受付らしいが無人で朝食券受けが置かれていたのでこの箱に券を投入しトレーに箸やお絞り、大小の皿を載せて料理台の陳列に向かう。
取っ付きは生野菜のコーナーでミニトマトや輪切りの生胡瓜もあり
その先にはスライス玉葱やブロッコリー、コーン、ヤングコーン等が控え
フレンチ、黒コショウ、中華のドレッシング3種も用意されている。
次の台はミニサイズの笹蒲鉾にキムチ、お浸しのしらす和え、岩のり
漬物、厚焼き玉子、明太子が並ぶ。後列のガラス容器は梅干に岩のりやなめ味噌等所謂ご飯のお伴で売店で販売中とのメッセージカードの添付が怠りない。
次は保温料理のコーナーで肉じゃが、
豚肉の生姜焼きに
四川風麻婆豆腐や
点心蒸篭(焼売)の中華の品が並び
続いてカセットコンロで保温された2種の鍋は山形風の玉こんにゃく煮と牛すじ湯豆腐の煮込み料理である。
ロビーの外回りから内部に入るとソファーを塞いだテーブルの一つはパン食愛好者の為のクロワッサンとスプレッドが配置され
他のテーブルには肉団子と
酢豚の中華の皿に
3種の焼魚が控えている。角皿に載る魚は左からメバルの西京焼き、鮭の塩焼き、鯖の幽庵焼きと案内されている。朝食の品揃えには不可欠な焼魚だが異なる魚種が3種も並ぶのは余りお目にかからない光景である。
別のテーブルは朝食定番の納豆と焼海苔に温泉卵のコーナーで画面では見辛いが奥には生玉子も用意されている。温泉玉子と生玉子の両者の同時提供はありそうだが実例は稀で温泉場では大概温玉のみである。生玉の提供は玉子かけご飯(TKG)の愛好者に対応した措置かと思う。
更にヨーグルトやフルーツポンチにグラノーラ、コーンフレークを揃えたデザートコーナーと
牛乳にアップルとオレンジのジュースを供する飲料のコーナーが配置されている。
ロビーから食事会場のコンベンションホールに入る通路の両脇にも料理台が並び
うどんや
ご飯に
味噌汁と
お粥も加わったご飯類のコーナーで
カレーとハヤシのルーも控えておりあらゆる要望に対処する姿勢を窺うことができる。
通路の両脇でご飯や味噌汁等を取り揃えて入ったホール内にも
お浸しや焼き茄子、秋刀魚の醤油煮に
山形風の芋煮鍋、
薩摩芋の蒸篭蒸しを配した料理台が並び
お茶や
水が配置されている。
中華と地域の特徴を採り込んだ和食主体の多彩な料理が供されるバイキングは好ましいがロビー空間を臨時に利用する料理配置が解り辛く焼海苔や温玉、牛乳やデザートを求めて右往左往してしまった。
分かり易い位置に料理配置の大まかな案内掲示があれば混乱解消の一助になるのではないだろうか。
Part.8は朝食からチェックアウト迄
(00:00)
2020年02月21日
【さんさ亭の食事】
さんさ亭の夕食と朝食は会場食の設定で1Fの異なる施設で供される。
夕食は本館上棟1Fの大宴会場「蔵王」に用意され朝食は1Fフロントロビーに接し本館中棟に属するコンベンションホール「青麻」でのバイイング方式となっている。朝食に限って朝食券が人数分発行されておりこれを持参する必要がある。
【夕食】
チェックイン時に夕食時間は18:00と19:00の選択肢から19:00を指定すると飲み物の希望も問われた。事前に伝えておけば会場でスムーズに提供できると説明されたので冷酒を選んで予約したがその顛末は後程。
指定時刻に1Fに降りると本館上棟の下流側へ繋がる通路の奥にある宴会場へメインダイニングの暖簾が誘導している。上の画面は時間外の撮影となったので準備中の掲示板が会場への進路を遮っている。
通路の左手はガラス窓越しに浴場があるBF階に達する立体的な庭園の景観が望める。
通路の奥の会場は左奥に伸びており畳敷きの上がり框で館内履きのスリッパを脱ぎ裸足で入場する。
場内は奥に見える緞帳を下げた舞台の造りは宴会場らしい備えだが床面は鮮やかな色彩の装飾シート貼りで洋風に仕上げられており配置されたテーブル天面も類似の彩色が施された独特な空間を醸している。
部屋番号で指定された席に着くと既に多くの料理が並び料理を紹介する会席献立が添付されている。
この品書には「旬の○○」の様な抽象的な表現が多用されており使用した食材の具体的な記載が無いのは料理長の嗜好に依るものであろうが客にとっては不親切と感じる。
奥の列には固形燃料で加熱するコンロが三つ並ぶ。左は一人分の釜飯を炊く小さな羽釜で松茸の釜飯と紹介されている。
中央は旬魚のつみれ鍋と
右端は和豚のすき焼き陶板である。
このつみれ鍋と豚すき焼きは献立の品書には主菜と記されている。
前列右寄りに見える朱塗りの枡は食前酒の器で
中段手前の青い小鉢が前菜、左隣りの黄色の容器はジャージャー風海藻麺。奥の角皿は旬魚の焼物で副采とされるがこれも食材の記載がなく脂の乗った赤魚の照り焼きである。焼魚では定番となっているはじかみの他にプラカップで添えられた薄切り生姜の煮物の甘辛味が珍しい
前菜は旬の小鉢とされ食材に関する記載はないが蕎麦の実とモロッコインゲンかピーマンに見える緑野菜のごま和えである。
ジャージャー風海藻麺は海藻を練り込んだ緑色の麺に辛味の味噌を乗せ玉葱スライスを配った品で麺と味噌を絡めて食することからジャージャー風の名を冠したのであろう。麺はプルプルした蒟蒻麺の食感であった。献立でこの料理が食事に分類されているのは凌ぎの位置付けと思われる。
海藻麺の左隣りには蓋を載せた茶碗蒸しの容器が配置されているが実はこれには茶碗蒸しではなく豆腐のあんかけが収められている。献立に記載された正式名は遠刈田名物寄せ豆腐の野菜あんかけで焼魚と同じく副采の位置付けとなっている。地元産の豆腐であればあんかけよりも湯豆腐や奴等素(す)の味が分かり易い手法で提供して欲しかったと思うのは私だけだろうか。
旬魚二点盛りと記された刺身は鮪の赤身とサーモンの2種で小菊の黄と大葉の緑が華やかな色彩を添えている。
三つ並んだコンロの燃料に点火されて食事の準備は整い暫く待ったがチェックイン時に予約した筈の冷酒が運ばれる気配が無く忙し気に立ち働く数少ない配膳担当者に確認を要請する羽目となってしまった。
こうした事態に立ち至ると事前指定の利点は全く感じられず何の為の予約であったのかと疑問が湧くばかりである。本来は速やかな飲料提供の為の方策であるべきだが人手不足が大きな障害となって予約システムが有効に機能していない様に見える。
やっと運ばれた一ノ蔵の冷酒を嗜みながら
火が通ったつみれ鍋や
蔵王和豚の陶板すき焼きに箸を伸ばす。
献立の品書には旬魚のつみれ鍋との記載のみで魚種に言及していないがつみれの色彩から青魚の秋刀魚や鯖の類であろう。食味だけで魚種を特定する感性を持ち合わせていない我が身が残念である。
すき焼きの豚肉は献立の品書に蔵王和豚ジャパンと表記されており地域特産のブランド品と思われる。鉄板にも見える陶板上のブランド豚にはシメジやミニトマトと共に割り下で煮込み小鉢の生卵に絡めて戴くすき焼きの正当な作法が用意されている。
多様な料理を堪能していると冷酒が空になり追加することになった。今度は地元ブランドの蔵王生貯蔵酒で先程とは異なり速やかに供された。
料理を粗方平らげたところで食事に取り掛かる。
炊きたての釜飯を茶碗に装っていると
練り物と三つ葉を浮かべたお吸い物が運ばれ
程なく季節のデザートも供される。小鉢のデザートはクリーム添えの白玉餡とフルーツヨーグルトのコンビネーションで季節感には疑問を感じたがこれで夕食を締め括った。
Part.7は朝食バイキング
(00:00)
2020年02月14日
【大浴場の浴室】
二重のガラス戸を通って浴室に入ると
正面の奥にサウナ室の扉が見えるが当日は改修準備で使用停止との掲示があった。施錠の無い内部を覗くと木製ベンチを備えた普通の造りだが川側の外壁に窓が開口し外景を採り込んでいるのが構造的な特徴となっている。
浴室は入口から右奥に拡がり外壁のガラス窓側に二つの浴槽がありガラス越しの窓外には露天風呂の浴槽も見えている。
ガラス窓の対面となる脱衣室側の壁面は浴槽が続く奥の壁面まで総数20基の混合シャワー栓を備えた洗い場が並んでいる。混合栓の数は多いが故障中のものや何箇所かは家庭用のシャワー栓に置き換えられて湯水の吐出量が極端に少ないものも見受けられた。
内湯の浴場は手前に円形に成形された浴槽が置かれ窓ガラスには「ぬるめ」の青文字が掲示されている。
奥は中央に湯口の四角い構造物を配した長方形の大浴槽でガラス窓の掲示は赤文字で「あつめ」となっている。
この大浴槽と円形浴槽は一見各々が独立した浴槽に見えるが
仔細に見ると窓側の切り欠き部分から大浴槽の越流が円形槽への流入路があり加えて両者の浴槽底部が開口で繋がる構造となっている。従って現状の円形浴槽は大浴槽に付随する温めの湯と位置づけられるが嘗ては異なる機能を発揮していた様子が窺える。そのヒントは先に掲載したBF階の案内図に隠されている。
内湯の部分に描かれた円形の浴槽には「泡風呂」の文字を黒塗りで抹消した痕跡が見えている。即ち円形の浴槽は嘗て泡風呂の機能を備えていたと思われるが何らかの理由でその機能が除かれて現在は「ぬるめ」の浴槽に甘んじているのではないだろうか。
大浴槽に満たされる湯は中央の湯口から注がれ
タイル張りの底面が見通せる程度の透明度を備えているがその底面には円形の排湯口らしき設備が幾つも見えている。
また浴槽最奥の窓側で露天風呂への出入口の脇の位置には茶色の細い耐熱塩ビ管が浴槽内部に引き込まれておりその端部に手を添えるとここからも湯が注入されている。
内湯の円形槽には独自の湯口が存在せず大浴槽とは底部と表面の越流路で繋がっているので温泉の給湯に関しては一体構造で大浴槽には二つの異なる給湯口と底面排湯口の存在から循環ろ過装置の稼働が窺える。
後に紹介する泉質表示には源泉掛流しと循環の併用と明記されているのでこの判断に間違いはない。
それでは二つある湯口のどちらが源泉の掛け流し口かと新たな疑問が生じるが目立たない存在の耐熱塩ビ配管の方ではないだろうか。判断理由は次の露天風呂の項に譲る。
【露天風呂】
露天風呂は内湯浴室窓側の浴槽の縁沿いに最も奥まで進んだ外壁のガラス戸が出入口である。
出入口の扉から外に出ると岩風呂の露天浴槽に迎えられる。浴槽の一部は建物の軒先の保護範囲にあるがベランダ風の腰高壁で仕切られた川側は直接降雨降雪に晒される空間となっている。壁上の装飾高欄の変形が景色的には残念な存在に見える。庇の奥に見える白壁の部分は改修準備で使用中止中の窓付きサウナ室である。
露天の浴槽に目立った湯口は認めないが
出入口からガラス窓の外壁を這う耐熱塩ビ管が石組の隙間に沈んでおり湯が注がれている。
この配管を辿ると先に紹介した内湯大浴槽の塩ビ管給湯口の配管から分岐しており内湯と露天の両者へ共通の配湯システムとなっている。
従って源泉は塩ビ配管から給湯されているのではないだろうかと思う。さもなければ露天浴槽は専ら循環ろ過湯で満たされ源泉の恩恵に恵まれない残念な浴槽となってしまう。
露天風呂の外壁越しには松川が流れる広い河原の上流架かるこけし橋が見えている。
【泉質】
脱衣室内に掲げられた温泉泉質の表示を見ると
左上の源泉名は「遠刈田7号泉」で
泉質はナトリウム·カルシウム-硫酸塩·塩化物泉 低張性中性高温泉に小さな文字で旧泉質名の含塩化土類-芒硝泉が併記されている。
右上の施設名は「遠刈田ホテルさんさ亭」と旧施設の名称を留めている。
更に下段に記載された利用形態の項目を見ると温度管理の為に高温時の加水と低温時の加熱に掛け流しと循環を併用し衛生管理上塩素系薬剤の使用が明記されている。
源泉の給湯量を大幅に超過する大容量の浴槽では温泉湯を有効活用する為に循環再利用が行われているが衛生管理の観点から湯中の微細物を除去する濾過と滅菌作用を有する塩素剤の添加が必須となるので循環濾過と塩素剤使用は一体化したシステムとして運用されている。源泉の湧出量に依るので大量の湧出に恵まれる温泉の少なからぬ例外はあるが大規模な温泉浴槽では先ず循環濾過の稼働を疑って良いであろう。浴室内で塩素臭(プールのカルキ臭と同じ)を感じる場合は塩素剤滅菌が行われていると思って間違いはない。
Part.6はさんさ亭の食事
(00:00)
2020年02月07日
【さんさ亭の温泉浴場】
前にも記した通り温泉浴場は本館上棟のBF階に配置されている。
男女別の大浴場はそれぞれ川側に露天風呂を備えている。BFの図面で見る男女の脱衣室や内湯部分の配置は線対象となっているが露天風呂の部分は浴槽の形等に差異が認められる。
大浴場は深夜も利用可能で温泉好きには嬉しい措置だが翌朝9:30からは清掃時間に設定されているので朝食後の入浴は早めに切り上げる必要がある。また火曜日に限って清掃時間は9:00からとなっている。宿泊客が少ないであろう月曜日の翌朝に週一回の時間をかけた清掃を設定しているのであろう。
BF階に連絡する本館上棟のエレベーターで降りた
ホール空間は右手が庭園の景観を望む全面ガラス張りで
隅のカウンターには湯上りの水分補給の為の冷水が用意されている。
壁面の案内にある矢印に従って180°向きを変えガラス窓に沿って進むと
ガラス越しに池に泳ぐ鯉の姿が見え
暖簾を提げた大浴場の入口に行き当たる。
男湯は「喜楽々(きらら)の湯」、女湯は「浮楽々(うらら)の湯」と館内案内に紹介されているが浴場入口は鶯色の暖簾に殿方と柿色暖簾のご婦人と小さな文字で識別されているがより目立つ行燈型の電照看板が男女の別を明示している。
肉眼では目立つ電照看板だが写真撮影では輝度が高過ぎて白飛びしてしまうのはいつものことである。
【男湯の内部】
鶯色の暖簾を潜ると右手は
館内履きのスリッパを脱ぐ板張りの上がり框があり履物収納棚の上には施錠できる貴重品用のロッカーが設置されているがスチールの塊は周囲の造りとは調和せず場違いな印象を受ける。
【脱衣室】
上がり框から90度左に向きを変えた正面は木製のベンチを備えた脱衣室内の休憩所の設えで右手奥に脱衣棚が見えている。
正面左の奥は浴室に繋がるガラス戸の出入口があり
その手前に仕切られた空間は洗面所の充てられおり湯水栓を備えた6基の洗面台が並んでいる。
休憩所から見える右奥の脱衣所は
3段の棚木製に籐製の脱衣籠を配した開放型となっている。
籠の総数は数えていないが80程であろう。
Part.5は浴室の内部
(00:00)