2021年10月08日

【佐藤屋旅館の温泉】
 既にPart.1の館内図で見た通り佐藤屋旅館の温泉浴場は「里の湯」を冠する鉄筋建物1F部分の浴室と鉄筋建物から連絡通路で誘導される別棟に「磊々の湯(らいらいのゆ)」と称する大浴場の二つの施設で構成されている。なお別棟には貸切風呂も併設されているが利用しなかったので詳細は不明である。
因みに磊々は秋保温泉街が沿う名取川の景勝地磊々峡が起源であろう。
里の湯の浴室は内湯のみだが磊々の湯は露天風呂も備える比較的新しい施設である。
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  県道に接する別棟
Part.2末尾の写真を再掲するが県道に直結する駐車場の奥(東側)に見える竹垣で囲まれた平屋建物の別棟が磊々の湯の浴場である。
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  男女の入れ替え
二つの浴場は13:00と21:00の2回男女の入れ替えを行う方式で男湯は13:00~21:00が磊々の湯、以降翌日のチェックアウト迄は里の湯となっており宿泊中は深夜時間帯を含めて何時でもいずれかの浴場の利用が可能となっている。

【里の湯の浴室】
 先ず鉄筋建物1Fにある里の湯の浴室から。
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  浴室平面図
上の画像は先に掲載した館内図から鉄筋建物の1F部分を抜き出したものだが玄関ホールの西側が里の湯の浴室に充てられている。従って上階の客室から向かう場合はエレベーター(又は階段)で1Fに降りて左に曲がりフロントカウンターの前を横切って浴場の入口に達する。
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  浴場入口
男湯の暖簾が見える上の画面は翌朝の撮影で前日の夜に女湯から懸け替えられたものである。
暖簾を分けた踏込みには銭湯の入口を彷彿とされる左右対称の二つの入口が別々の脱衣場へ繋がっている。
既に平面図を見ているのでお分かりと思うがこの里の湯は独立した二つの浴室が線対称の位置に相対している。この様な構造は先に銭湯の造りを感じた通り男女別に対応する浴場構造であるが宿泊時は左側の浴室が工事中で右側のみが男女入替制で使用可能であった。

【工事中の左側浴室】
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  踏込みから左側の浴室
 早朝は工事中の左側も関係者の出入がなく入口戸が開放されていたのでちょっとだけ覗いてみると
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  洗面台
脱衣室の洗面台や
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  工事中の浴室
浴室内でシャワー栓を備える洗い場に
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  工事中の浴槽
浴槽の配置まで後に見る右側浴室と完璧に対称構造となっていることが確認できた。
湯を抜いた浴槽は湯口廻りの内壁に固化した温泉成分の堆積物が綺麗に取り除かれていた。堆積物の有無は次項で紹介する現役の浴槽と見較べれば明らかである。

【右側の現役浴室】
 それでは反転して現役の浴室へ。
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  右側浴室の入口
タイル貼りの狭い踏込の先に見える上がり框の左奥が脱衣室となっている。

【脱衣室】
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  脱衣室の上がり框
脱衣室に入って上がり框を振り返ると狭い空間に休憩用の長椅子の配置があり壁面には温泉の泉質分析等が掲出されている。
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  洗面台
脱衣室内左手前の壁面は2基の洗面台があり
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  アメニティ
鏡の前のシェーバーや化粧水等の他
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  ドライヤー等
部屋の隅にドライヤー等を載せた棚と体重計が用意されている。壁際を這う白いダクトは
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  給湯配管
洗面台の湯栓に繋がっており浴室側から給湯する配管と思われる。
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  脱衣棚
奥の壁面には腰高の脱衣棚が配置されている。右手に見えているガラス戸の奥が浴室である。

【浴室】
 ガラス戸を引き開けると
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  洗い場
西と北(県道側)の2面に窓を配した明るい浴室の左側は3基のシャワー栓を配した洗い場に充てられており
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  右手の浴槽
右手が透明な湯を満たす浴槽の空間である。
浴室の床面が黒色の石貼りとなっているが窓下の壁面は対照的に白味が強い大谷石風のブロックが張り巡らされている。但し洗い場側の壁面に限って乳白系のタイル仕上げでシャワー栓の基部はステンレス製の囲いが室内に大きく張り出している構造から新しめの湯水混合シャワー栓の設置時に給水湯の配管系に改修の手が加わったと想像できる。
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  脱衣室側
先に脱衣室で見た2基の洗面台に繋がるダクト配管もこの張り出し部分が起点となっており浴室のシャワー栓と脱衣室の洗面台は同時期に更新された様子が窺える。
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  浴槽の隅
洗い場側を斜めに仕切った台形の浴槽は縁が御影石風の石貼りで白タイル貼りの槽内は洗い場側に段差が設けられているが何よりも
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  湯口側
奥の湯口以外の隅は縁石、タイル貼り共に曲線に加工する凝った造りが美しい。よく見ると底面より小さい壁面部のタイルは曲面加工を容易にする技であろう。又段差の角には緩衝材の設置があり他の施設では余り見掛けない親切な配慮が嬉しい。

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  湯口と堆積物
更に湯口の直下で湯の流れを受ける斜めの壁面部は温泉成分の茶褐色堆積物がある。
先に観察した工事中の左側浴室の浴槽には認めなかった相違であり浴槽内堆積物の除去も工事の一部なのであろう。
湯口に覗く灰色の塩ビ管は冷水供給の配管に見えるが入浴時にこの配管からの給水(?)は認めなかった。
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  掛け流し浴槽
浴槽の構造も底面に設置される独特な排湯口と壁面の隠れ給湯口の循環装置が見当たらない単純な掛け流しの浴槽である。北向きの浴室ではあるが朝になると陽光に恵まれる明るい浴槽で心地良い一時を過ごすことができる。

Paer.4は磊々の湯と温泉の泉質



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